森下よ、お前もか!
阪神の森下翔太が、佐藤輝明も患った「大谷病」に罹っている。
森下は3月6日と7日に侍ジャパンのメンバーとして、欧州代表戦に出場した。その後、8日のヤクルト戦(甲子園)から阪神の一員として試合に臨んだが、なぜか2打席目に新フォームで打席に入り、首脳陣や他の選手を驚かせている。この試合を取材した在阪マスコミ関係者はこう話す。
「1打席目でやっていた、バットを立たせたフォームではなく、バットを寝かせた新フォームでした。もちろん、どんな選手でも自主トレや春季キャンプで打撃フォームの修整に取り組むことはあります。とはいえ、開幕が迫ってきたこの時期に新たなことに取り組むのは、疑問でしかない。打てるようになればいいが、打てなければ混乱したままシーズンに突入することになる。危険な賭けですね」
入団1年目の昨シーズンはチーム38年ぶりの日本一に貢献した部分もあったが、内角攻めにうまく対応できない弱点が暴露された。2年目となれば、他球団の投手はその弱点を徹底的に攻めてくることは間違いない。
その対策として森下が参考にしたのが、バットを寝かせた状態から内角球を力強くはじく、ドジャース・大谷翔平の打撃フォームだというのだ。事実、大谷はそのフォームで、ジャイアンツとのオープン戦で内角のストレートを左方向へもっていく2号2ランを放っている。
だが大谷と森下では、フィジカル面もテクニックも違う。大谷に感化されて打撃フォームを真似ても、結果を残せる保証はない。佐藤は昨季、大谷の本塁打の飛距離に触発されて打撃を崩し、一時は2軍落ちする屈辱を味わっている。その二の舞いになる危険性は十分だ。球団OBも、
「挑戦するのは悪いことではないが、森下には森下の特性があり、焦る必要はない」
球界には「2年目のジンクス」という言葉がある。このままなら、それにまっしぐらになりかねない。
(阿部勝彦)