外国人観光客が戻ってきた今、各地で問題となっているのが、飲食店の価格の高騰だ。いわゆる「インバウンド価格」といわれ、訪日外国人客向けに高額な商品を提供する飲食店が増加。国内の客からは「手が出ない」との悲鳴が上がっている。
中でも地元民が「この物価高では生活すら危ぶまれる」と顔をしかめるのが沖縄県だ。「平均年収が低い都道府県」として毎年、ワースト1位の沖縄県。2023年の平均年収は347万円だが、市内の飲食店では値上げラッシュが止まらない。那覇市在住の男性が語る。
「外食をするにもランチで1500円から2000円ほどは当たり前。元々、沖縄は本土からの輸送費がかかるため、食材の値段は高いとされているんです。それでも以前は、地元の食材を使った食堂で、ワンコインで定食を食べることができました。それがこの数年で一気に値上がりして、定食は1000円ほどになっています」
那覇市内では観光客が多い国際通りのみならず、全体的に値上げしているのだという。最近では外食がほとんどできなくなったと、この男性は嘆くのだ。
「ショッピングセンターなどに入っているフードコートは比較的、安価で食べられますが、考えることはみな同じ。常に家族連れで溢れています。最近はせんべろ居酒屋が増えすぎて、昼間開いている飲食店が減ってきている。沖縄は月曜休みの店が多く、そこに旅行客も来ると、開いている店に集中してしまう。地元に人気の安い食堂には行列ができるほどで、地元民は飲食店難民になっています」
自炊するにも、食材自体が高い。特にひとり暮らしの人にとっては、自炊する方が高くついてしまうこともあるだろう。この値上げが続けば、ますます地元民は暮らしにくくなっていく。早急に平均賃金を上げるなどの対策をとるべきだろう。