元日の能登半島地震、そして4月3日の台湾東部沖地震に続き、今度は米ニューヨークを地震が襲った。
災害に見舞われたのは4月5日午前10時23分(日本時間同日午後11時23分)の東部ニュージャージー州で、マグニチュード(M)4.8だった。
アメリカ地質調査所(USGS)によると、震源はニューヨーク市の西方約70キロで、深さ4.7キロ。ニューヨーク州のホークル知事は「過去1世紀に東海岸で起きた最大の地震のひとつ」とし、しばらくは余震に注意するよう市民に呼びかけた。
ニューヨークで体感地震が起きたのは、2011年8月23日以来のことだ。その日、アメリカではコロラド州とバージニア州でM5クラスの地震が相次いだ。東海岸でこのレベルの強い地震が起こるのは114年ぶりであり、首都ワシントンやニューヨークでは、2001年9月11日の同時多発テロの再来と勘違いし、パニックになる人もいた。
続けて4月8日午前10時25分頃には、宮崎県日南市で最大震度5弱の地震があった。震源地は大隅半島東方沖で、震源の深さはおよそ40キロ、M5.1と推定されている。
東日本大震災とバージニア州地震が起きた、2011年と2024年の奇妙な一致。能登半島地震に続き、日本でも南海トラフ地震が起きるのか。気象庁は次のように否定した。
「今回の地震の震源は、南海トラフ地震で想定されている震源域には近いものの(駿河湾から日向灘にかけての)想定震源域の外側にあたる。地震の規模もそれほど大きくなく、今回の地震そのものが、想定される南海トラフ巨大地震には影響はないと考えている」
とはいえ、今回の震源地と想定震源域の距離は、わずか10キロ。どうもパニックと風評被害を恐れる役人の、詭弁のようにしか聞こえない。
宮崎県周辺では2019年5月10日に、宮崎市などで震度5弱(M6.3)の地震が起きたほか、2022年には1月22日午前1時8分に、さらには10月2日午前0時2分にも、宮崎県や大分県で最大震度5強の地震が発生している。
2011年の東日本大震災は3月9日と10日に最大震度5弱、M6クラスの揺れがあったし、2016年の熊本地震も本震(M7.3、震度7)の前に前震が繰り返された。能登半島地震も2020年から群発地震が続いた末の、元日の本震だった。
次に地殻変動が起こるのは別の地域なのか、千葉沖なのか、南海トラフなのか。それとも「噴火したら世界の終わり」と言われる米イエローストーンなのか。大地の怒りを前に、非力な我々は備えをするしかない。備えの目安として総務省公式サイトは、
〈非常に広い地域に甚大な被害が及ぶ可能性のある南海トラフ巨大地震では「1週間以上」の備蓄が望ましい〉
と試算している。
(那須優子)