円安の影響で日本各地に訪れる外国人観光客。新宿のゴールデン街も多くの外国人で溢れており、毎晩、どの店も満席になるほどの盛況となっている。
ゴールデン街といえば、酔っ払った外国人がタバコの吸殻やゴミをポイ捨てする、酔っ払って路上で嘔吐するなどの行為が問題視されていたが、
「最近は外国人よりもトー横界隈が飲みに来て、トラブルを起こしていると聞きます」
そう語るのは、ゴールデン街のバーに勤務するスタッフだ。旧コマ劇場の跡地「新宿東宝ビル」の横にたむろする「トー横界隈」「トー横キッズ」と呼ばれる未成年達。彼らによる飲酒や違法薬物の使用、性犯罪や暴力などの問題が、以前から指摘されていた。そのトー横界隈がゴールデン街に流れているとは、どういうことなのか。
「トー横界隈といっても未成年ではなく、未成年者を取り仕切っている、いわゆる『半グレ』のことです。未成年相手に買春の斡旋などの『トー横ビジネス』をやっている大人達ですよ」(前出・ゴールデン街バーのスタッフ)
3月30日から4月7日にかけて、警視庁は春休み中の若者が犯罪やトラブルに巻き込まれるのを防ぐために、トー横周辺で一斉補導を実施。11歳から18歳までの男女31人が補導された。そこで稼ぎ口がなくなった界隈の大人が、ゴールデン街に流れてきているというのだ。バーのスタッフが続ける。
「普通に飲んでいるだけなら問題ないのですが、ゴールデン街の酔っぱらい相手に、わざと喧嘩を売るような行動をしています。最近では、サラリーマン風の男性とトラブルになり、近くのバーの店員が警察を呼ぶ騒ぎになりました。その後、サラリーマン男性が示談金として10万円を支払ったそうです。まるで当たり屋です」
トー横の未成年が補導されても、そこに関わる大人達はまた新たな食い扶持を見つけてしまう。未成年者はもちろんだが、犯罪の元凶となる大人達を取り締まらない限り、歌舞伎町に平穏は訪れないだろう。