残るは藤浪晋太郎、だだ一人か。今季、アメリカに渡っている日本人選手で、マイナーリーグでのプレーを余儀なくされるのは藤浪だけでは…と話題になっている。
現在、メッツ・千賀滉大、カブス・鈴木誠也、はIL(負傷者リスト)入りしているが、ドジャース・大谷翔平、レッドソックス・吉田正尚がレギュラーに定着。パドレス・ダルビッシュ有、ブルージェイズ・菊池雄星は勝ち星にこそあまり恵まれていないが、先発ローテション投手としてチームに欠かせない存在になっている。
また、カブスの今永昇太は圧巻の投球を続け、今季からパドレスに加入した松井裕樹も、中継ぎ投手として大事な場面で起用されるなど、存在感を発揮している。
その一方、開幕からマイナーリーグでプレーしている選手が2人いる。レッドソックス傘下の3Aウースターに所属する上沢直之と、メッツ傘下の3Aシュラキーズで投げている藤浪晋太郎だ。このうちメジャー昇格の可能性が高いのが、上沢だという。メジャーリーグを取材するスポーツライターが語る。
「上沢は現地4月16日の3Aダーラム戦に先発し、5回を投げて6安打4失点に終わりましたが、2回から4回までを無失点で切り抜けた。5回に浴びた3ランがなければ、カーブもスプリットも決まっていたし、フォーシームは150キロ近く出ていたようです。今後、期待がもてます」
一方の藤浪は、4月14日の3Aウースター戦の3回、二死満塁のピンチで登場。2度の押し出し四球を含め1安打3四球で、一死も奪えず3失点で降板した。
藤浪はこの試合を含め、5試合に登板して0勝0敗1ホールドながら、防御率は9.00。いくら打者優位の3Aとはいえ、メジャーで登板できる状態にはない。前出のスポーツライターも、
「このままではとても通用しない。メジャー昇格どころか、1年契約ということを考えれば、シーズン中に戦力外通告される可能性もありますよ」
メジャー昇格の夢破れた筒香嘉智は古巣DeNAに復帰したが、これまで藤浪を取材してきたスポーツ紙遊軍記者によれば、
「今のところ藤浪本人には、日本に戻ってくるつもりはないようですが、日本ハムの新庄剛志監督が獲得に興味を示しています。恥ずかしくて阪神には戻れないないでしょうから、日本ハムで出直すのもひとつの手。あのストレートは捨てがたいですから」
上沢に先を越された時点で、藤浪はどうするのか。注目したい。
(阿部勝彦)