4月28日に京都競馬場で行われた天皇賞・春(GI・芝3200メートル)。その2日前に配信した記事で、筆者は以下のような見解を述べた。
出走馬の勢力図は「4歳勢」と「5歳以上の古馬勢」に整理できそうなメンバー構成だが、今年は5歳以上の古馬勢の実力が4歳勢を大きく上回っているという点が、最大のキーポイントだ。にもかかわらず、単勝オッズはテーオーロイヤル(牡6歳)とドゥレッツァ(牡4歳)が人気を二分する様相を呈している。ズバリ、渾身の勝負馬券はテーオーロイヤルの単勝1点。またとない「妙味馬券」と言っていいだろう――。
果たせるかな、レースはテーオーロイヤルの圧勝劇に終わった。対して、ドゥレッツァはまさかの15着と大敗を喫し、タスティエーラ(牡4歳)も7着と馬群に沈んだ。ちなみに、テーオーロイヤルの単勝最終オッズは2.8倍だった。
実は今、筆者はこの天皇賞で2.8倍に膨らんだ軍資金を、5月5日に東京競馬場で行われるNHKマイルカップ(GI・芝1600メートル)にそっくりブチ込む「コロガシ大作戦」を秘かに画策している。天皇賞・春に続く渾身の勝負馬券は、ジャンタルマンタル(牡3歳)の単勝馬券。もちろん、買い目は同馬の単勝1点のみである。
というのも、4月24日の配信記事で指摘したように、ジャンタルマンタルはGI・皐月賞(中山・芝2000メートル)で「最も強い競馬」をした3歳牡馬であるにもかかわらず、あえて日本ダービー(GI・東京・芝2400メートル)を回避してNHKマイルに駒を進めてきたからだ。
GⅡ・デイリー杯2歳ステークス(京都・芝1600メートル)とGI・朝日杯フューチュリティステークス(阪神・芝1600メートル)を快勝した実績からも明らかなように、ジャンタルマンタルにとって、2戦2勝で負けなしの芝1600メートルで行われるNHKマイルは、まさに「絶好の舞台」「狙いすました一戦」なのだ。
しかも今回のNHKマイルには、GI・阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600メートル)を快勝し、続くGI・桜花賞(阪神・芝1600メートル)でも2着と好走した、3歳牝馬アスコリピチェーノが出走してくる。下馬評では「ジャンタルマンタルとアスコリピチェーノの一騎打ち」と言われており、天皇賞・春の様相と同じく、アスコリピチェーノにも単勝の支持が大々的に流れる可能性が極めて高いのだ。
言うまでもなく、ジャンタルマンタルの実力はアスコリピチェーノを大きく上回っていると、筆者はみている。ジャンタルマンタルの単勝オッズが2倍以上あるようなら、同馬の単勝馬券で迷わずコロガシ大作戦に打って出るつもりだ。
(日高次郎/競馬アナリスト)