タイ政府は6月1日から、観光目的でビザなしでタイに滞在できる対象国を93カ国・地域に拡大し、滞在期間を60日に延長することを決定した。これまでビザなしの滞在期間は30日間だったが、それが倍増する。
日本人に大人気の旅行先であるタイは、2022年10月から2023年3月31日までの間に、日本を含む52カ国の国籍を持つ旅行者に対し、ビザなしでの最大滞在日数を30日から45日に延長したことがある。それが今回、なぜさらに延長されたのか。タイ在住ジャーナリストは、以下のように考察している。
「タイでは2022年6月に大麻が解禁されて以降、外国人観光客が増加傾向にあります。ところが大麻に関連する発砲事件などを受けて、政府は2024年末までに娯楽目的の大麻使用を禁止する方針を示している。大麻が禁止されると観光客が減少する可能性があるため、それを見越しての措置かもしれません」
また、近年の性サービス産業の値上がりが影響しているのではないか、とも。
「ナイトライフの料金は年々上昇しており、コロナ禍前の2倍と言われています。そのため、タイを訪れても夜遊びにお金を使わない日本人が増えている。かつてタイで遊んでいた日本人の中には、現在の料金に納得せず、もうタイには行かないという人も多いですね」(前出・タイ在住ジャーナリスト)
今年1月から3月までの累計で、タイを訪れた外国人観光客の国籍別ランキングでは、日本は第10位となっている。およそ10年前まで、日本はトップ5に入っていたが、円安の影響があると考えられる。
つまりは、観光客にもっとお金を使わせるために、ビザなし滞在期間を延長したのではないか、というのだ。タイが好きな人々にとっては嬉しいニュースだが、タイの状況は変わりやすいことで知られている。この措置が続くことを願いたい。