6月3日午前6時31分、能登半島北部地域を震源とするマグニチュード6.0、最大震度5強の地震が発生した。9分後の6時40分にはマグニチュード4.8、最大震度4の地震も発生し、今年元日の能登半島地震(マグニチュード7.6、最大震度7)からの復興途上にある被災地は騒然となった。
本サイトが5月3日から全6回にわたって公開した連載「能登半島地震の次に必ず起きる『6つの大惨事』」の第1回では、「気象庁が『余震』と表現しない理由は『3つの割れ残り断層』にあった」と題して、元日の大地震後に能登地方を次々と襲うとされる、さらなる大地震の脅威について警鐘を鳴らしていた。
ところが6月3日早朝に発生した今回の地震の震源域は、地震学の専門家らが懸念していた大地震の震源域とは異なっている。その上で、少なからぬ専門家が改めて、次のように重大警告を発しているのだ。
「今回の地震は予兆にすぎない。被災地は『本番の大地震』に対する備えを怠るな」
それは元日の大地震で割れ残った、以下の3つの断層で発生するとされている。
①能登半島の南西部を南北に走る内陸活断層
②能登半島の西方沖を南北に走る海底活断層
③能登半島の北端から佐渡島にかけての海底活断層
言うまでもなく、①~③の活断層が大きく動けば、能登地方は元日に発生した大地震と同程度か、それ以上の強い揺れに襲われることになる。
中でも③の海底活断層が大きく動いた場合には強烈な揺れに加えて、新潟県上越市を中心とする日本海沿岸地域を「10メートル超の大津波」が襲うとされているのだ。ある専門家も次のように指摘している。
「危険な状態にあった3つの活断層は、今回の地震でテンパイ状態となった」
能登地方を襲う新たな大地震。事態はまさに切迫しているのだ。
(石森巌)