芸能

立川晴の輔「立川流なのに真面目で毒がない」/テリー伊藤対談(1)

「笑点」大喜利の新メンバーに抜擢され、今大注目の落語家・立川晴の輔。自身も「100%ないと思っていた」という予想外の人事はどのように決められたのか。志の輔師匠への弟子入り秘話から修業時代の過酷エピソードまで、天才テリーがたっぷり聞き出した!

テリー 「笑点」の新メンバーになってどうですか。世の中変わりましたか。

晴の輔 自分自身は変わってないですけど、とにかく周りから「おめでとう」って言われることが増えましたね。芸歴27年なんですよ。地方とかでいろんな落語会をやってきて、結婚式の司会も100組ぐらいやってるので、そういう方々が連絡をくれて、「オリンピックで金メダルでも獲ったのかな」っていう感覚ですね。感謝です。

テリー 師匠はBS日テレの「笑点 特大号」の若手大喜利に10年ぐらい出てましたよね。

晴の輔 そうですね。50歳なのに若手大喜利に出てました。

テリー そうすると、「(卒業した林家)木久扇師匠の次は自分じゃないか」っていう予感はあったんですか。

晴の輔 いや、あの席は100%ないと思ってました。

テリー 何でですか。

晴の輔 やっぱり木久扇師匠の席には同じタイプの方が座るだろうと思ってました。若手大喜利で与太郎タイプの人が何人かいるので、その方だろうと思ってたんですよ。だから、本当にビックリしましたね。

テリー 師匠はどういうキャラなんですか。

晴の輔 僕はもう真面目でして。若手大喜利の時も「立川流なのに真面目で毒がない」って言われてました。

テリー (立川)志の輔師匠の一番弟子ですよね。志の輔師匠に弟子入りした理由は何だったんですか。

晴の輔 大学で落語研究会に入りまして。特に落語が好きというわけじゃなかったんですけど、大学生活を楽しむには、楽しい人、面白い人と出会った方がいいと思ったんですよ。

テリー 東京農業大学でしたっけ?

晴の輔 そうです。でも、落語研究会に入ってみたら、楽しい人、面白い人というより、癖のある人の集団だったんですけど。

テリー お笑いやる人って大体そうですよね。で、落研に入ったら落語が好きになったんですか。

晴の輔 やっぱり落研に入ったら「落語とはなんぞや」って少しは知らないといけないと思いまして、色々落語を聴きに行ったんです。その中で、たまたまうちの師匠の独演会に、渋谷の東邦生命ホールというところへ行ったんですけど、終わった後、立てなかったんです。映画を1本見終わったのと同じ感覚というか、それ以上の感覚っていうんですかね。

テリー そのぐらい衝撃的だったんだ。

晴の輔 はい。映画って例えばハリウッドで何十億もかけて作ったものを見て、「ああ、面白かった」って満足して帰るじゃないですか。志の輔師匠はそれを言葉だけ、座布団1枚の上に座ってるだけでやってると思ったんです。そのぐらい感動というか、没入しましたね。テリー それが20歳ぐらいの時ですか?

晴の輔 いえ、大学1年の時。1浪してますので19歳ですね。

ゲスト:立川晴の輔(たてかわ・はれのすけ)1972年、兵庫県生まれ。大学時代は落語研究会に所属。卒業後の1997年、立川志の輔に一番弟子として入門し、「立川志の吉」を拝名。2003年、二ツ目に昇進、2013年真打昇進。志の吉から「晴の輔」に改名。古典落語をわかりやすく演じると定評があり、全国各地での落語会、ビジネス落語講演会、子ども落語会をはじめ、結婚式の司会など幅広く活動。2013年より「笑点 特大号」(BS 日テレ)の若手大喜利のメンバーに。2024年4月7日放送の「笑点」(日本テレビ)より大喜利の新メンバーに抜擢され、注目を集める。

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