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サンスポ、水戸正晴の万券を生む血統論「ブラックバゴを頭から狙い撃つ」

 今週は中山で「京成杯」が行われる。1番人気馬は過去10年で8回馬券に絡む比較的堅めの重賞だけに、無謀な穴狙いは禁物!? 一方、京都の「日経新春杯」は、傑出馬不在のハンデ戦。こちらは一波乱ありそうな雲行きだ。

 99年以降、距離がそれまでのマイルから2000メートルに延び、年々重要度が増している京成杯。ここを勝って飛躍した馬にエイシンフラッシュ(ダービー)がおり、2、3着と好走した中にもナカヤマフェスタ(宝塚記念)、イーグルカフェ(NHKマイルC)、キングカメハメハ(ダービー)とクラシック、GIを制して名を上げた馬もいる。

 それだけ注目すべき重賞なので、伏兵が飛び込み、波乱に終わることは少ない(03年に馬単が導入されてから馬単で万馬券になったのは3回。馬連は0回)。しっかり見極めなければいけないのは、今後のクラシック戦線をにぎわすだけの能力を持った馬は、どれかということだ。馬券戦術でおいても、それが最も大切なことではないだろうか。

 そんな視点で今回の顔ぶれを見てみよう。わかることは、そうした素質の持ち主、候補馬がこれまでにも増して多いということだ。であれば、熱のこもった迫力あるレースになること請け合いだが、力が接近しているのだから、馬券的には難解な一戦と言っていいだろう。

 顔ぶれはよく、確かに悩む。が、前述したようにGI級の馬、クラシック候補にのし上がれる逸材はどれか、はたまたそれだけの馬はいるのか否か、それを見極めることが、このレースを解く最大の鍵だ。

 人気とは別に、素質の高さを感じさせる馬は何頭かいる。ザイディックメア、バルビエール、ブラックバゴ、そしてポトマックリバーなどは、今後が楽しみな各厩舎の秘蔵っ子である。

 この4頭は甲乙つけがたい高い能力の持ち主と思われるが、であるなら仕上がり状態など、現状がポイントとなってくる。

 そうしたことを踏まえ、最も期待を寄せてみたいのは、ブラックバゴだ。

 未勝利を勝ち上がったばかりのGIIホープフルSは、本命視して期待していた。その前走を振り返ってみようか。少々後手を踏んで後方から。勝負どころの4角手前で狭くなってインを突くことになり、それが不利を呼ぶことになってしまったわけだが、それでも立ち直して急襲。残念ながら僅差3着と敗れはしたものの、しまいの伸び脚はピカイチで、力量のほどは、これで明らかになった。

 反動がまったくないことから、すぐにここに照準を合わせたが、この中間は、それだけに順調そのもの。厩舎サイドも、ここでクラシックの出走権を──と全力投球の構えだ。

 管理者の斎藤誠調教師は言う。

「ホープフルSを使う前から、うちではクラシック候補として力を入れていた素質馬。前走は狭いところに入って脚を余して敗れてしまった。それだけに、何としても巻き返したい気持ちだね」

 大いに納得いくコメントだ。バランスの取れた好馬体と血統(父がクラシック級のバゴで、母の父が破壊力のあるステイゴールド。母系は欧州の一流血脈)から判断して、伸びしろ十分の逸材。2度続けてのポカは許されまい。頭から狙い撃ちといこう。

 相手は当然、前述した素質馬だが、中でもバルビエールは大いに注目してほしい。一息入った前走の未勝利戦は楽勝だったが、かなりの力量馬であることは確か。使われてさらに良化しており、チャンスも十分。バランスの取れた好馬体、血統(グラスワンダーが近親)から、これからが楽しみな存在。レースぶりに注目だ。

 あとは出否未定もナスノセイカンがおもしろい。前走、未勝利戦の勝ちっぷりが鮮やかで、ナスノカオリ(桜花賞)、ナスノチグサ(オークス)が一族にいる血筋が、また魅力。“一発”があっていい。

◆アサヒ芸能1/13発売(1/22号)より

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