大ヒンシュクを買うのも無理はない。怒りにまかせてあれこれブチまけたら、「あまりに大人げない」と批判の的になってしまう「事件」が起きたのだ。
それはサッカー天皇杯2回戦で、筑波大学に「ジャイアントキリング」を許したFC町田ゼルビアの黒田剛監督の言動だった。
J1首位の町田は6月12日の天皇杯2回戦で、茨城県代表の筑波大学と対戦。勝利目前だった後半ロスタイムに同点に追いつかれ、延長戦に突入した。ここで決着はつかず、最後はPK戦となり、2-4で敗れた。
大荒れだったのは、試合後の黒田監督である。骨折者を含む負傷者が続出したとして、
「何も得られないゲームだった。VARもありませんし、基準を考えるとすごく憤りを感じるゲームだった」
さらには筑波大に多数のラフプレーがあったことを問題視して、
「きちっと指導してほしい。サッカーマナーの悪い一面も見られた。大人に向かって配慮に欠ける言葉もあったし、指導教育ができていない」
黒田監督の怒りは、プロが大学生に負かされてしまった悔しさや恥ずかしさが背景にあったのだろうが、これにアキレるサッカーファンは多かった。というのも、
「黒田監督は青森山田時代からファウルを伴うラフプレーが多く、それは町田でも同じ。多くのファンは『お前が言うな!』という気持ちでしょう。5月19日の東京ヴェルディ戦で、町田の選手がペットボトルの水をボールに掛けて重くしようとする姿には、サポーターがドン引きしている。確かに筑波大のプレーには危なく見える部分がありましたが、それは格上チーム相手に一歩も引かず向かっていった結果。プロが試合後に恨み節を吐くのは、ただの負け惜しみにしか聞こえませんでしたね」(サッカー関係者)
ピッチに立てば、アマチュアもプロも関係ない。それが天皇杯の良さであり、見どころでもある。J1で圧倒的な強さを発揮している町田になぜかアンチが多い理由を、今回の試合を通して理解したファンは多かったのではないか。
(ケン高田)