「ゴルフ場の会員権を買えって言われて、調べたら名義変更やらなんやらで1000万円だったんですよ。『監督、1000万円しますよ』って言ったら『1000万か。1回か2回くらい講演やれば買えるだろ』って言ってましたもん。そうなんだ…」
これは野球解説者の大久保博元氏が6月12日に、自身のYouTubeチャンネル〈デーブ大久保チャンネル〉で明かした、ミスタープロ野球との会話である。
そんな話は他にいくらでもある。例えば1995年、岡山県の倉敷マスカットスタジアムのこけら落としとして、セ・リーグのトーナメントが開催された際のことだった。優勝チームには2000万円が贈られることになっていたが、裏方のスタッフを含めて全員に分担すると、1人50万円の計算に。当時、巨人監督だった長嶋茂雄氏は、事前ミーティングでこう言い放った。
「いいか、みんな。50万円とりにいくぞ。1回か2回、メシ食えるだろ」
これに「いったいどんなメシだ」と大久保氏が仰天したのも当然のことだ。
ミスターの浮世離れした金銭感覚にまつわるエピソードは、これだけではない。
「この場では語られませんでしたが、以前、大久保氏はあるインタビューで、1995年に現役引退を決め、ミスター邸に挨拶に訪れた際のことを明かしています」(スポーツ紙デスク)
それによると、ミスターは大久保氏を前に、次のように促したという。
「この家にある絵を記念に1枚、持って行きなさい。どれでもいいから」
そうはいっても、さすがに辞退するしかない大久保氏。後日、息子の一茂に絵の金額を聞いてみると、平然とこう言ってのけた。
「壁に掛けてあるのは高いけど、床に置いてあるのはたいしたことない。2000万円くらいだから」
長嶋家の金銭感覚は、何度聞いても驚きの連続でしかない。
(所ひで/ユーチューブライター)