「新・火曜日の男」に暗雲が垂れ込めている。
阪神の才木浩人が6月25日、倉敷で行われた中日戦に登板し、8回1失点と好投するも、打線の援護なく完封負け。才木に黒星がついた。
今季の才木は13試合に先発して8勝2敗、防御率1.20の好成績をマーク。ところが雨による試合中止などがあり、これまでの日曜日登板から火曜日へとスライド。不慣れな倉敷マスカット球場で、今季初となるナイター登板となった。
才木は初回から順調に打者を打ち取り、8奪三振の好投を見せたが、100球を超えてからは明らかに球威が落ちていた。しかし、岡田彰布監督は続投を選択。結果、8回表、二死三塁から中日・板山祐太郎の適時打が飛び出し、負け投手となった。
週アタマの火曜日の登板は6連戦の初戦にあたり、最低2勝1敗の勝ち越しをするためには、絶対に落とせない試合。虎党からは「日本ハム新庄監督のように、スパッと切り替えてもらいたかった」と岡田監督に対する恨み節が飛び出している。スポーツライターが語る。
「倉敷マスカット球場はファウルゾーンがかなり広めに取られているのが特徴で、8回の中日・田中幹也のライト線への打球が3塁打になる不運がありました。ローテを変更してまで倉敷で才木を投げさせるのであれば、7回あたりで諦める選択があったのではないか。これまで、力の落ちる(相手チームの)三番手投手が多い日曜日に、エース級の才木が投げることで、阪神の貯金ができていたのは事実。週アタマに才木を持ってきたことで、今後はこの試合のように、勝ち試合を失うケースが出てくるかもしれません」
ちなみに元阪神投手コーチで野球評論家の中西清起氏はこの試合を振り返り、「才木まで殺してしまうのか」と、バッサリ。気迫を見せず1点も取れなかった野手陣が、才木を火曜日にもってきた意図を理解していない、と斬り捨てている。
(ケン高田)