これまでで最も多い56人が出馬した東京都知事選挙は、立候補していない人物の宣伝ポスター、いかがわしいポスターなどが掲示板をジャックするという「場外乱闘」ばかりがクローズアップされる、異例の展開となっている。
肝心の選挙戦はというと、現職の小池百合子氏と立憲民主党の前参院議員・蓮舫氏による一騎打ちの様相を呈しているのが現状だ。
ママ世代の都民からは「子育て支援に手厚い小池都政がやっぱりいい。伸び伸びと子育てができる」との声が聞かれるが、「女性にチャレンジする機会を提供する」と訴える蓮舫氏に代わることで、新たな流れがくる可能性もあろう。いずれにせよ、この都知事選は「女性の活躍」がキーとなるようだ。
元衆議院議員で実業家の宮崎謙介氏が、情勢を分析する。
「今のところは小池さんが有利でしょうね。圧倒的な実績と政治家としての力量から考えても、庶民の声を形にする小池さんが都民にとって、また日本国民にとっても最適でしょう。実際に待機児童の解消や新型コロナウイルスへの対応、東京強靭化プロジェクト、200億円の政党復活予算(一般会計にある特別枠)の廃止など、大きな成果を残しています。 一方で蓮舫氏はパフォーマンスばかりが先行し、政治家としての実績はほぼありません」
それほど蓮舫氏に厳しいのはなぜか。
「だってそうでしょう。事業仕分けで名を上げた彼女ですが、実際は民主党政権崩壊の第一歩でした。やることなすことにセンスが感じられません。彼女に任せたら他の職員に皺寄せがきて、東京都庁が瓦解するでしょう」
では、この2人とは一線を画した「三番手」の石丸伸二氏はどうか。宮崎氏の評価はなかなかのものだった。
「ネット民を中心に盛り上がっていますが、今回の勝負はまだ早かったでしょう。もう少し全国的な知名度と、特に投票行動の中心となる高齢層の支持を獲得すれば、これから大きな舞台で活躍する機会があるかもしれません。彼の改革マインドには注目したいと感じています」
こう話す宮崎氏自身は、
「現在、地方創生のビジネスコンサルで多忙ですが、日本を盛り上げるために日々飛び回っています」
地方と首都、その連携をとるボスははたして小池氏か蓮舫氏か。はたまた別の候補者なのか。七夕決戦は中盤戦に差しかかっている。
(小津うゆ)