「衰えた」「終わった選手」…そんな辛辣な声を一掃しているのは、大復活を果たした巨人の丸佳浩だ。昨年は規定打席に到達できず、7月に2軍に降格して打率2割4分4厘。年俸は1億7000万円ダウンとなった。
ところが今年は一時、首位打者になるなど、4月から1番打者に定着。打率3割8厘(7月1日時点)はリーグ2位だ。6月28日の広島戦では4安打を放ち、今季7度目の猛打賞で、延長10回には右翼席へサヨナラ弾。3-2での勝利を劇的に演出した。スポーツ紙デスクが絶好調の理由を解説する。
「ボール球に手を出さなくなり、出塁率が上がりました。オフに目のレーシック手術を行い、翼状片というゴロゴロした異物を取り除きました。ストレスが解消され、打席での集中力が高まったんでしょうね。試合中にガムを噛むようになり、ムダな力が抜けています。目と口からプレーが変わりましたね」
食欲にも変化が出ていると、球団関係者は言う。
「大食漢で、試合前にサロンでうどんを5玉食べるほどでしたが、年齢とともに食事量を抑え、嫌いだった野菜に手をつけるようになりました。体が絞られ、キレが増しています」
さらには、打法改造も身を結んでいる。グリップを下ろしてからバットを振り始める「ヒッチ打法」を以前のように大きくして、タイミングをとっているのだ。
「慣れたフォームに戻すことで、安定感抜群になりました。昨年はかかとに体重が乗り、アウトコースの球を空振りしていた。ヒッチ打法で、それが止まりましたね」(前出・スポーツ紙デスク)
坂本勇人が不振で2軍落ちをする中、同じくベテランの丸がチームを牽引しているのだ。
(渡辺優)