スポーツ

韓国から「出ていけ!」ホン・ミョンボ代表新監督への〝ウソつき呼ばわり〟は日本人選手がキッカケだった

 韓国サッカー協会が、ホン・ミョンボ氏の10年ぶりの代表監督就任を発表した。

 今年2月に韓国代表を率いていたユルゲン・クリンスマン氏を解任してから、外国人監督を中心に接触していたが、後任探しは空振り続きだった。

 9月から始まる北中米W杯の最終予選を前に、ようやく韓国人選手を知り尽くした自国の監督に落ち着いたというわけだ。

 だが、せっかくの新監督の就任発表後、韓国のサポーターの間では強烈なブーイングが巻き起こっている。

 ホン・ミョンボ氏といえば、現役時代は日本代表の壁として大きく立ちはだかる一方、Jリーグのベルマーレ平塚や柏レイソルでプレーしたことで、日本での知名度の高さは抜群。ディフェンスラインを統率するクレバーさと闘将ぶりを兼ね備えるイケメンとして、サッカーファンに愛されていた。

 現役引退後に監督業をスタートさせると若手育成が評価され、2012年のロンドン五輪では、韓国サッカー史上初の銅メダル獲得に導いた。そんなレジェンドに、なぜ批判が殺到しているのか。サッカーライターが理由を説明する。

「代表監督の就任を発表した時点で、ホン・ミョンボ氏は韓国Kリーグ1の蔚山HDの監督を務めていました。チームは首位争いをしている大事な時期のため、彼自身は直前まで代表監督就任の噂について一蹴し、『私の立場は常に同じで、ファンは心配する必要がない』と、蔚山サポーターにメッセージを送っていたんです。ところが、舌の根も乾かぬうちにチームを見捨てしまった。蔚山のサポーターだけではく、韓国のサッカーファンから『ウソつき』のレッテルを貼られてしまったんです」

 発表直後に行われた7月10日の試合は、ホン・ミョンボ監督のラストマッチとなったが、当然、船出を祝うムードは皆無。スタジアムは異様な雰囲気に包まれ、「出ていけ!」「最悪な監督」と、容赦なく罵詈雑言が浴びせられた。そして口は災いの元とばかりに、過去の発言まで掘り起こされている。

 22年シーズン、蔚山の17年ぶりのリーグ優勝に貢献した日本人選手のMF天野純(現・横浜F・マリノス)が、23年1月に韓国の全北現代モータースに期限付き移籍をした。すると指揮官のホン・ミョンボ氏は怒り心頭でこう批判を展開した。

「お金は重要ではないと話していたのに、お金のために移籍した」

「ウソをついて全北に移籍したのであり、これまで多くの日本人選手に会ってきたけど歴代最悪だ」

 これに対して、天野はすぐさま反論した。

「蔚山が向き合ってくれる感じはなく、シーズンが終わって日本に帰ってからも正式なオファーが届かなかった」

 そのタイミングで全北が声をかけてことで移籍する流れになったことが判明すると、

「天野がしっかりと説明したことで、チームの経営陣と意思の疎通ができていなかったホン・ミョンボ監督の軽率な発言がサポーターの間で疑問視されたのです」(前出・サッカーライター)

 ここにきて盛大に「ウソつき」ブーメランが返ってきてしまったホン・ミョンボ監督だが、そもそも1勝もできずにグループリーグで惨敗した14年のブラジルW杯で、すでに口を滑らせていた。前出のサッカーライターが述懐する。

「前回、代表監督を電撃辞任した際に『欧州でプレーする選手はクラブではBクラスで試合に出られず、コンディションの維持が難しい。また、海外組よりもレベルが低いKリーグ組と組み合わせるのも困難だ』と、本音を漏らしました。ですが、サポーターがそんな言い訳を許すわけがなく、能力を重視せず『ホン・ミョンボ・チルドレン』と呼ばれた、自分のお気に入りの選手を23人中15人も入れたメンバー選考や、大会直前の合宿中に私的に土地を購入していたことに批判が集まったのです」

 今回の監督再就任をめぐっては、他にも胡散臭い話がある。元韓国代表でJリーグでも活躍したパク・チュホ氏が自身のユーチューブで、韓国サッカー協会の戦力強化委員を務めている立場なのに「最終決定は知らなかった」と暴露したからだ。それが事実であれば、明らかの密室人事が行われていたことになる。

 韓国内を揺るがす「ホン・ミョンボ騒動」だが、しばらく沈静化する気配はなさそうだ。

(風吹啓太)

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    「王座戦」初防衛に王手をかけた「鬼神・藤井聡太」の勝利の方程式は「パイナップル・キノコ抜き・室温20度」

    いくら漫画でも、こんな展開は描けない。将棋の第72期王座戦5番勝負第2局が9月18日、名古屋市の名古屋マリオットアソシアホテルで行われ、午前9時の対局開始からわずか30分で76手まで進む「AI超速将棋」を藤井聡太七冠が制して2連勝。王座戦初…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
巨大怪物ザメ「メガロドン」を食い殺した「地球最恐の肉食クジラ」狂暴伝説
2
【独占インタビュー】「虎に翼」でブレイク…山﨑翠佳「高校3年生で妊娠の少女」俳優人生を決定づけた主演作の現場
3
【緊急】中日に「異常事態」発生!退団即呼び戻し&指導経験ゼロの「球団広報」がコーチ就任って…
4
野人・岡野雅行が学んだウソのような高校の実態「これは刑務所か軍隊か」地獄の日々
5
【場外激突】フジテレビを「日本シリーズ出入り禁止」にしたNPBの横暴にスタッフ怒髪天!