日本時間の7月17日にテキサスレンジャーズの本拠地「グローブライフ・フィールド」で行われるMLBオールスターゲーム。
現地時間の16日にその前日会見が行われると、日本のメディアが一斉に大谷翔平の会見の模様を伝えた。
内容はもちろん、オールスターへの意気込みを筆頭に、今年前半のパフォーマンス、他の選手たちとの交流や、4年後の五輪出場についてなど、質問は多岐にわたった。さらに、大谷が妻である真美子夫人と愛犬のデコピンが当日のレッドカーペットに現れる可能性を示唆したことで、特にバラエティは盛り上がったのだった。
「大谷の会見に群がった記者数はエンゼルス時代の150人超には及びませんでしたが、それでも100人以上が集まり、注目度の高さが窺われました。中には、大谷とじゃんけんをしたいという現地の記者がいて、大谷が苦笑いで応じる場面がありましたね。終始なごやかに進んだようです」(野球記者)
どの話題よりも真っ先に大谷の会見を取り上げるバラエティー番組が多い中、日本の野球ファンから不満が少なからず漏れているという。それは、同じくオールスター出場するカブスの今永昇太投手の扱いがあまりに雑だという声だ。
「どのバラエティも総じて同じでした。大半を大谷の会見のやり取りに割き、終わり頃にまるで思い出したかのように今永の会見を少し流すという感じでした。実は今永は会見で様々なことを話しているのですが、メディアが口裏でも合わせたかのように取り上げるのが、今永が発した『母親への感謝』ばかり。それはそれで彼の人柄が出て感動的なのですが、今永ファンや大谷以外にも興味がある野球ファンは『それだけじゃなかった』と、日本のメディアの相変わらずの報道の仕方にウンザリだったようですね」(前出・野球記者)
大谷激推し番組として有名な「ひるおび」(TBS系)はその例に漏れず、大半を大谷絡みで通した。ただし、同番組のコメンテーターで国際弁護士の八代英輝氏だけは「(今永が)投げる哲学者というだけあって…」と、今永が会見で他の話をしたことを伝えていたが、
「番組内では結局、その内容は伝えられていませんでした。今永は、米国に来て驚いたことにシャワーを挙げていましたね。日本のシャワーは先に温度設定して水を流すだけだが、米国ではひねりの調整具合で温度を変えないといけないと。だから、いつもめちゃくちゃ熱かったり冷たかったりするというわけです。それを例に出して『一発でちょうどいい温度になるように練習したい』と、メジャーでのピッチングの意気込みを独特の言い回しで話していました。残念ながら、こうした発言を取り上げているバラエティは皆無だったと思います」(前出・野球記者)
今回のオールスター戦に関して、日本のメディアの今永への注目度は間違いなくデコピン以下だ。また、会見に集まっている記者数が少ないことを今永自身が実感したのか、もっと多くの記者が集まるように頑張りたいと語っていた。
それでも、今永の記者を楽しまるエンタメ哲学とアスリートに不可欠なハングリー精神があれば、オールスター本番で主役の座を奪うことは不可能ではない。
(飯野さつき)