メジャー帰りの大物加入や主砲、エース級の移籍が相次ぎ、今年のプロ球界は例年になく盛り上がる気配を見せている。気の早いファンたちは春季キャンプ突入前から、ペナントレースの行方に思いを巡らせていることだろう。ならばズバリ、日本一早い予想を提示しよう。
2月の春季キャンプを間近に控え、各球団の戦力は出そろった。中でも今季最大の注目選手は、広島に復帰した黒田博樹(39)だろう。ヤンキースから再契約を打診されながらも8年ぶりに古巣のユニホームに袖を通すことになったのだ。本誌は野球評論家4人に2015年セ・パ12球団の戦力分析を依頼。日本一早いペナント予想を敢行した。
まずはセ・リーグ。昨年、リーグ優勝を果たしながらもCSで阪神に敗北した巨人は例年と異なり、オフシーズンは実に静かだった。江本孟紀氏は巨人の1強だと明言する。
「(3割打者やタイトルホルダーがいないなど)昨年が最低の成績だったにもかかわらず、年俸はそれほど下がらなかった。今年は成績が悪ければ相応のペナルティがあるので、多くの選手は勝負の年になる。それでもセ・リーグでは、戦力がズバ抜けている。選手が年俸どおりに働けば、普通に優勝できるチームです。一塁にコンバートされた阿部慎之助(35)は3割30本を打たなければいけないでしょうが、捕手から一塁に移って成功した選手は過去にいないのが懸念材料。キーマンは坂本勇人(26)だと見ている」
広沢克実氏も、巨人が軸になる、と話す。
「不安があるとすれば、坂本と村田修一(34)。彼らはただただ練習不足で、ケガをしたくないから練習しないのはわかる。でも、練習しなければ結果は出ない。開幕すれば彼らが練習をしていたかどうか、はっきりするでしょう」
不安は投手陣にもあるとし、優勝に疑問符を投げかける向きもある。
「先発投手で計算できるのは菅野智之(25)と杉内俊哉(34)ぐらい。昨年7勝9敗の内海哲也(32)はもう計算しづらいし、大竹寛(31)だって5回までもたない試合が多く、後半はヘロヘロだったじゃないですか。巨人は中日から朝倉健太(33)まで補強しようとしたんですよ。それくらい投手陣は不安だということです。優勝の筆頭候補は広島でしょう」(スポーツ紙デスク)
橋本清氏は、その広島を次のように評する。
「黒田は21億円とも言われるメジャーのオファーを断って復帰するわけですから広島ファンに限らず、日本全国が沸くでしょう。その影響は計り知れない。黒田は勝ち星だけでなく、チームの精神的支柱になれる存在。今年は番狂わせが起きるシーズンと見ています。前田健太(26)はもちろん、菊池涼介(24)や丸佳浩(25)といった伸び盛りの若い選手は黒田に感化されて台風の目になるでしょう」