オリックスを迎え撃つ王者ソフトバンクは、メジャー帰りの松坂大輔(34)を獲得。だが、3年総額12億円という大盤ぶるまいに疑問を呈す声は少なくない。その内幕を、スポーツライターが明かす。
「松坂はまず、みずから巨人・原監督に電話して、『獲ってほしい』と言ったそうですが、巨人サイドが提示した年俸は1億円。それが適正価格だと思いますが、本人は『それではお話にならない』と蹴り、ソフトバンク入りした」
ただ、営業面での集客を考慮すると、松坂効果は絶大だ。江本氏は言う。
「いちばん安定したチームで、打撃面では心配がない。松坂は10勝前後すれば御の字でしょう。宣伝料で2億円、成績で2億円といった働きでも、球団側は満足する。工藤公康監督(51)に代わりましたが、基本的にソフトバンクは戦い方を変える必要もない。パ・リーグは指名打者制ですから、監督がすることといえば、選手のモチベーションを上げることだけ。采配は必要ない。選手個々の問題ですよ」
さて、2強に取り付きAクラスを目指す残り4球団の中で、日本ハムへの期待感を抱くのは野口氏だ。どうしても話題は二刀流男・大谷翔平(20)に集中する。
「心配なのは二刀流のバランス。本人は打者としてやってみたい気持ちが強いと聞きましたが、そうなると、先発としての力の入れ方はどうなるのか。どっちつかずになるのが怖いですね」
新たに3人の外国人を獲得したが、戦力としては未知数。育成型球団ゆえ、主砲・中田翔(25)と大谷の二枚看板に大きな負担がかかっている。
日本ハムを上回る5人もの外国人が加入した西武は、スポーツライターが、
「中村剛也(31)、メヒア(29)という(いずれも昨年34本の)2人の本塁打王がいて、先発陣も岸孝之(30)、牧田和久(30)、十亀剣(27)、菊池雄星(23)、野上亮磨(27)とそろってはいます。抑えも新守護神・高橋朋己(26)がしっかりしている」
と2強に割って入る可能性を指摘する一方で、橋本氏は辛口だ。
「(FA権を行使しなかった)炭谷銀仁朗(27)の残留は大きいが、2年目の森友哉(19)は、正捕手としてはまだ難しい。外国人頼みもそうだが、相当頑張らないとダメでしょう」
大久保博元監督(47)が就任した楽天も厳しいシーズンを迎えそうだ。昨年、先発ローテを守ったのは則本昂大(24)と辛島航(24)の2人だけ。現在もその穴は埋まっていない。
「投手陣にも野手陣にも核がないチーム。ゴメス加入前の阪神によく似ています。(出塁しても)ホームに返す選手が足りない。つなげるだけつなげて得点にはならない。そんな試合運びが多くなりそうです」(広沢氏)
ロッテも楽天同様の問題を抱える。エースの成瀬が流出し、その穴が埋まっていないのだ。野口氏は、
「正直なところ、涌井秀章(28)、唐川侑己(25)、石川歩(26)では、成瀬の穴を埋めるには力不足」
「勝つ気がないのでは?」と苦言する解説者もいるほど、評価はさんざんである。
とはいえ、一昨年の楽天、昨年のオリックスのような低評価球団の下剋上が起こらないとも限らないのだから‥‥。