ヤクルトはどうか。実は橋本氏は広島に続いて楽しみなチームにあげていた。
「珍しく補強に動きました。大引啓次(30)と成瀬善久(29)は理にかなった補強で、昨年ブレイクした山田哲人(22)や川端慎吾(27)といった若手の活躍しだいで、Aクラスも狙える」
野口氏も、「セ・リーグで最も的を射た補強をしたのがヤクルト」と断言。ただし、こんな指摘も。
「セ他球団の選手たちは一様に、成瀬を怖がっていません。あの技巧派の投球は、千葉マリン球場特有の風があってのもの。狭い神宮球場で打たせて取る投手が加わっても、大した脅威にはなりません。それより、秋季キャンプで150キロを出していた由規(25)の復活を怖がっています」(スポーツライター)
吉見一起(30)、浅尾拓也(30)の復活が鍵となる中日はさしたる補強もなく、「好材料が一つもない」という意見が大半を占めた。
「キーマンは谷繁元信兼任監督(44)。捕手には松井雅人(27)がいますが、試合を任せるにはまだ力不足。そう考えると谷繁監督が試合に出るほかない」(野口氏)
江本氏も「谷繁監督の出場は不可欠」と言う。今年も多大な責務が課せられそうだ。
さて、パ・リーグに目を移せば、大補強でストーブリーグの話題をさらったオリックスと昨年の日本一チーム、ソフトバンクの2強は揺るぎない勢い。特に昨年2位に躍進したオリックスは中島裕之(32)、小谷野栄一(34)、バリントン(34)、ブランコ(34)ら大物を獲得。エース・金子千尋(31)も残留し、投打ともに盤石の布陣だ。
ただ、一新されたコーチとうまくかみ合うかだが、
「メンツはそろっていますから、あとは森脇浩司監督(54)の手腕だけです。中島を不安視する人も確かにいますが、仮に2割8分20本を打てなくても、勝負どころで打てれば2割5分でもいいとさえ思います」(橋本氏)
一方、江本氏は「補強してニュースが多いだけ」とバッサリだ。
「過去にも何度も補強はやってるんです。そのたびに結果が出ない。ようやく去年、優勝しかけましたけど、あれがピーク。今年も補強したけど、結果が出ないという、いつものオリックスになる可能性は高い。金子だってメジャーを意識してますから、モチベーションも低いでしょう。去年のような働きをするかどうかは、はなはだ疑問ですね」
昨年のオリックス創業50周年という記念すべきシーズンを、大方の下馬評を覆す勝ちっぷりで、ソフトバンクとの勝率をたった2厘差まで追い詰めた。優勝争いの経験は、きっと選手らのさらなるモチベーションになっているはずなのだが、はたして──。