J1リーグは第24節を終えて、後半戦に突入する。前半戦はJ1初昇格のFC町田ゼルビアの首位独走や、川崎フロンターレの下位低迷など、予想外の展開が続いた。優勝候補の一角とみられていた浦和レッズの不振もそうだ。第24節終了時点で勝ち点33の10位と、期待外れの結果に終わっている。
なぜこんなことになったのか。クラブOBの那須大亮氏が、自身のYouTubeチャンネルに浦和でプレーした坪井慶介氏を招き、原因を探った。
那須氏は浦和のフロント陣を疑問視。シーズン途中に酒井宏樹、アレクサンダー・ショルツ、オラ・ソルバッケン、岩尾憲…キャプテンと副キャプテンを含む4人が移籍する異常事態を引き起こしたことに問題があると指摘した。
さらには、守備面にも問題があるとして、失点を減らすことが今後の課題であると主張している。坪井氏もこれに頷きながら、
「もっとハイプレスいくのかなと思っていて、ハイプレスするからにはハイラインにするけど、今はそんなにハイプレスじゃないけどハイライン。それは(DFラインの)裏を狙われる。これをどう整理しているのか。去年は(前から)いかないのであれば、ちゃんとスペースを消して強固な守備ラインを作っていたが、今年は徹底されていない」
さらに伊藤敦樹とサミュエル・グスタフソン、安居海渡の中盤の関係を整理すべきだと訴えたのである。
守備面には不安を残すが、得点できているため、
「失点が減れば、引き分けにできる勝ちにもっていけることが増えるから、監督とピッチ内で戦っている選手がどれぐらい共有できているか、気になる」
チーム全体で意思を統一する必要があるというのだ。那須氏は守備面の改善のために必要な条件を、次のように語った。
「ディフェンスリーダーが出てきてほしい。佐藤瑶大選手とか。日本語をしゃべれる選手の方が、コミュニケーションが取りやすいのでいいのかなと。闘莉王のような、浦和を象徴する選手が出てきてほしい」
後半戦、浦和が躍進できるかどうか、全ては守備の立て直しにあるとみて間違いない。
(鈴木誠)