6月7日に開かれた、日本維新の会の党会合。その席上、同党の馬場伸幸代表は、長らく野党共闘を組んできた立憲民主党の体たらくぶりを「本当に国家国民のために、この方々は必要なのか」などとコキ下ろした上で、次のように豪語してみせた。
「(次の衆院選へ向け)まずは立憲民主党を叩き潰す!」
立憲民主党が「第2の社民党」さながらに、消滅への道を歩み始めていることは、誰の目にも明らかだ。とはいえ、レッキとした公党の代表が一転、共闘関係にあった別の公党について、これほどのゴーマン発言を放つのは異例である。
実は馬場代表のこの発言に先立つ5月22日、インターネット番組「ニコニコ生放送」に出演した同党の藤田文武幹事長も、仮に自民、公明の与党両党が次期衆院選で過半数割れに追い込まれたとしても、
「安易に自民党に取り込まれたとしたら、一瞬で維新の存在意義はなくなる」
と発言すると、次のように断言したのだった。
「(政権与党との連立は)100%ない!」
一連の大風呂敷発言のウラには、今年4月に行われた統一地方選と衆院補選での、維新の大躍進があったことは容易に想像できる。事実、少なからぬ永田町関係者からも、
「大躍進の維新は今、夜郎自大に陥っている」
との声が聞こえてくるのだ。
だが「好事魔多し」は世の常。こと政権維持にかけては手練手管の寝業師と言われる自民党の執行部幹部も、冷笑交じりにこう指摘するのだ。
「維新が今、有頂天になっているのは間違いない。ただ、維新が大躍進したと言っても、所詮は地方での出来事にすぎない。事実、あの衆院補選で新たな議席を獲得したのは、維新のホームグランドにあたる大阪圏でのことだ。要するに維新の本質は、いまだローカル政党ということ。その点を早くも勘違いしているのだから、笑止千万の極みでしょう」
ある意味では、戦略なき迷走の立憲民主党以上に、維新は「おバカ」ということか。