大相撲名古屋場所は千秋楽で優勝決定戦の末に、横綱・照ノ富士が3場所ぶりに、節目となる10度目の優勝を果たした。一方で9度目のかど番で臨んだ大関・貴景勝は負け越して、関脇への降格が決まった。引退危機が取り沙汰されたが、師匠の常盤山親方と進退を話し合い、大関復帰を目指して現役続行すると表明した。相撲協会関係者が、貴景勝の苦しい現況を明かす。
「慢性的な首の痛みにより、動きが鈍くなっています。幾度となく重なるケガによる稽古不足、体重が増えてきた。体を絞り切れていないままですね。その結果、突き押しの力がなくなっている。以前はベンチプレスで200キロ以上を余裕で上げていたのですが、それもできなくなりつつあります。来場所は2桁勝って大関に戻るつもりのようですが、今の状態が続くなら難しいでしょう。復活できなければ、秋場所後に引退となる流れですね」
まだ27歳だが、故郷の関西を中心に西日本で人気が高く、時計宝飾販売の「ジェムキャッスルゆきざき」などが強力に支援。タニマチが多く、将来は明るい。過去には元自治大臣、国家公安委員会委員長の石井一氏が後ろ盾になっていた。
「今夏に湊川親方(元小結・大徹)が退職したのを機に、貴景勝はその年寄株を入手しました。親方になるために必要な年寄株を持ち、大きなタニマチもいるので、引退後は部屋を起こすことが容易な状況となっています」(相撲部屋関係者)
現役続行を懸けた勝負の秋場所となるが、仮に敗れても貴景勝の人生は安泰なのである。
(渡辺優)