第2回新潟競馬の開幕週は関西馬の18勝に対し、関東馬は6勝。トリプルスコアの結果となった。例年、関西馬が強いので驚きはしないものの、関東馬にはもっと頑張ってほしいと思う数字だ。
この日曜(8月4日)の新潟では、ダート3冠最終戦となるジャパンダートクラシック(10月2日・大井)の優先出走権が与えられるレパードS(GⅢ・ダート1800メートル)が行われる。前評判では美浦のソニックスターとミッキーファイトが人気になっているが、この2頭ですんなり決まるとは思えない。前週のレース結果を見ると、9頭が出走予定の関西馬が上位争いに絡んでくるのは必至だろう。
その関西馬を見てみると、ひと息入れて立て直してきたサトノフェニックスが大いに気になる存在だ。3月のUAEダービー出走取り消し以来となるが、中間はプール調整と坂路を併用して、入念に乗り込まれてきた。最終追いを坂路単走で軽く流したが、1週前に坂路4F51秒6の自己ベストをマークして、万全の出走態勢にある。
もともと兵庫ジュニアグランプリ2着、全日本2歳優駿5着と、2歳時にはフォーエバーヤングやイーグルノワールといった強豪としのぎを削ってきた。能力の高さは疑いようがない。ここなら十分にやれる。
西でもう1頭挙げるなら、3連勝中のジーサイクロン。未勝利、1勝クラス、2勝クラスを全て、36秒台の最速の上がりで勝ってきた。気性面での成長が著しく、一戦ごとに力をつけてきた印象だ。勢いの良さから、見逃せない。
札幌のエルムS(GⅢ・ダート1700メートル)は半数以上の馬に印が付く混戦模様だが、これも10頭出走予定の関西馬の争いになる公算大だ。芝のGⅠ馬ドゥラエレーデが人気になっているが、調教の動きを見る限り、完調とは思えない。ダートでもチャンピオンズCや東京大賞典で3着に入っているので力は最上位だろうが、この距離はやや短いような気がする。乗れている武豊だけに無視することはできないが、楽な戦いにはならないだろう。
むしろドゥラエレーデの僚馬ヴィクティファルスに注目している。ここ2戦は2桁着順だけに買いづらいが、涼しい北海道にやってきて、調教での動きの良さが目立つ。ダート転向初戦の太秦S(OP特別)でいきなり勝利し、2戦目の東海S(GⅢ)でも3着と健闘した力を改めて見直したい。
穴で面白そうなのは、末脚が切れるフルム。先行馬が多く逃げ争いになりそうなだけに、展開は向く。
(兜志郎/競馬ライター)