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【王位戦】藤井聡太七冠「徳島不敗神話」の原動力は「パリ5つ星ホテル」パティシエにあった

「なんでいつもこうなっちゃうのかな。近くなったら作戦を練って臨みたいと思います」

「魔王」渡辺明九段は投了後、渋い表情でこうつぶやいた。

 7月19日に22歳の誕生日を迎えた将棋の藤井聡太七冠との「第65期王位戦」に挑んでいる渡辺九段は、7月30日と31日の第3局(徳島県徳島市)に敗戦。藤井七冠が2勝1敗とリードすることになった。

 22歳最初の対局は藤井七冠の先手角換わりから始まったが、序盤30手目で魔王が「研究手」の7五歩で「仕掛け」に出ると、自己最長となる3時間10分の長考。2日目も渡辺九段の飛車を捨てての猛攻をしのいだ藤井七冠が111手目で渡辺玉を即詰みとした。

 藤井七冠の徳島対局は、これで4連勝。徳島不敗神話の秘密は、1日目の午後のおやつ「桃のトルテ」にあるかもしれない。

 2日目の午前のおやつに渡辺九段がチョイス、昨年の徳島対局で藤井七冠も食べた「チーズケーキ」ともに、徳島市「ナッツベリーファーム」製。実はここ、スイーツファンの掲示板で「ケーキを買いに行くだけでも徳島を訪れる価値はある」と絶賛される、隠れた名店なのだ。

 和三盆が有名なスイーツ県、徳島に3店舗を展開する同店は、フランス国家最高職人賞(MOF)を受賞したエリ・カゾウシュスに従事し、パリの5つ星ホテル「ル・ムーリス」でアセット・デセール(デザートの盛り付け役)の重責を担った、ヒルトン東京のエグゼクティブペストリーシェフ・播田修氏の実家。播田氏はフランスから帰国したのち「ナッツベリーファーム」でのケーキ作りを経て、2017年からヒルトン東京で現職に就任した。あのヒルトン東京の看板フェア「スイーツビュッフェ」も手がけている。

 将棋の8大タイトル開催地ではここ数年、藤井七冠人気と注目度にあやかろうと、町おこしが過熱している。過去の勝負で「ぴよりん」や「コロコロくまさん」「バター塩大福」などの大ヒット商品が生まれただけに、開催地で「コンクール」や「住民投票」をしてまで「ご当地おやつ」をアピールしたいのだろう。

 が、その前に、棋士たちに美食の都パリや東京でも通用するレベルの「勝負ごはん」「勝負おやつ」をふるまうのが、開催地の礼節だと思うのだが…。

 ちなみに藤井七冠が2日目午前のおやつに選んだ「季節のフルーツ」「アイスレモンティー」の、目にも鮮やかなお皿には、今が旬の桃やスイカ、マスカット等のほかに、藤井七冠が「好きな食べ物」として挙げたパイナップルがちょこんと載っていた。この「おもてなし精神」こそが、徳島に「藤井七冠負けなしの地」という新たな栄誉を生んだのだろう。

(那須優子)

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