夏の高校野球、甲子園大会が8月7日に開幕する。今年から「1日3試合」の大会3日目までは、朝と夕方の二部制になる。全ては暑さ対策、球児たちの健康対策のためであり、近年の日本高野連は様々な改革案を講じてきた。
しかし、変わらないのが「対戦相手を決める抽選」だ。8月4日に組み合わせ抽選会が行われたのだが、今年も出場校の主将が壇上でクジ引き。とりわけ気になったのは、鳥取県のクジ運だ。
鳥取県代表校は2014年に1回戦突破を果たしたが、翌年以降は1回戦での敗退が続いている。
今夏は鳥取城北が明徳義塾と激突する。鳥取県の高校と明徳義塾が1回戦でぶつかるのは2020年以来、5年ぶり。2016年にも1回戦で対戦しているが、全国制覇の経験もある明徳義塾牙城を鳥取県勢が崩したことは、まだない。
また、近年の鳥取県代表校の1回戦の相手校を調べてみると、2023年=履正社、2022年=仙台育英、2021年=日大山形、2019年=智弁和歌山、2018年=龍谷大平安、2017年=大阪桐蔭。まさに超強豪校ばかりと激突している。
2018年に献上したの勝ち星は、龍谷大平安の甲子園春夏通算100勝目でもあった。
2022年の仙台育英はこの年の優勝校であり、2016年の明徳義塾はベスト4、他校においても3回戦には進出していた。強い学校とばかり試合をしてきたせいか、2000年以降の夏の甲子園大会で1回戦を突破したのは2014年、2012年、2003年だけだ。
高校野球の抽選会について、アマ野球を取材するベテラン記者からは、こんな声が聞かれた。
「クジを引く前、高野連スタッフが進行に協力してほしい、と注意を促すんです。どれにしようか迷って時間をかけすぎないでくれ、という意味で、他意はありません。でもどの学校の主将もマジメだから、前の人が引いた隣や、すぐ近くを引いてしまうんです。だから同じ地区の学校でブロックが固まってしまうのでしょう」
鳥取城北は県決勝戦で9回裏に3点差をひっくり返す劇的勝利を収めた。投手層は厚く、県大会では7人が登板している。チーム打率は3割を超えており、投打の総合力が高い。今年こそ、クジ運に左右されないところを見せてほしいが…。
(飯山満/スポーツライター)