お盆休みボケが残る8月19日の昼下がり、不穏なものがNHKラジオで流された。
「尖閣諸島は中国の領土」
短波による国際放送とラジオ第2放送での、午後1時の中国語ニュースでそうまくしたてたのは、NHKが「丸投げ外部発注」している中国人の契約スタッフで、ニュース原稿とは異なる内容を20秒にわたって勝手に話し続けた。本来の原稿では19日未明、東京・千代田区内の靖国神社の石柱に中国語で「便所」「尿」「SB」などと落書きされた器物破損事件を報じる予定だったという。
他の担当者が中国人スタッフの暴走に気付き、音声が切り替わったが、NHKは同日夜に「ニュースとは無関係の発言が放送されたことは不適切であり、深くおわび申し上げます」と謝罪。今後は同ニュース枠を生放送ではなく録音放送にすると釈明した。「問題はそこじゃないだろう」と突っ込んだのは、筆者だけではなかったはずだ。
NHKはこの中国人スタッフと業務委託契約を結んでいる関連団体を通じて厳重抗議し、関連団体は契約を解除するという。NHKも社名も明かされない関連団体も、まるで中国人スタッフの暴走に戸惑っているかのような「被害者モード」だが、一番の問題は、思想調査や身元調査もロクにしていない外国人と外部企業に「ニュース放送を丸投げ」し、出入りさせているNHKの無責任な体質にある。
全国紙社会部デスクが眉をひそめて言う。
「NHKは日本人の新卒学生には狭き門の入社試験を課す一方で、身元不詳の外国籍スタッフを嘱託社員、契約社員として雇い入れている事実はもう四半世紀以上前から国家公安委員会や内閣官房が把握し、公然の秘密となっていました。警察幹部からは『NHKに出入りしている以上、日本の機密情報のほか、アメリカや韓国の防衛上の情報も筒抜けになっているのでは』と懸念する声が上がっていました」
過去に「外国籍の正規職員は50人以下」とNHKは答えていたが、これはあくまで「正規雇用」の人数。業務委託先、下請け発注先にどれくらいの外国籍スタッフがいるのかは、NHKの予算を審議する国会ですら把握できていない。
ここで民間企業なら、顧客情報を持ち出すといった契約社員の不祥事は「一個人の犯罪」では済ませず、経営陣の退陣と業務委託先の「人材派遣会社」「下請け企業」は契約解除とし、多額の賠償金を請求するのが筋だ。
よりによって地震や津波、気象情報といった国民の命にかかわる情報をリアルタイムで放送するNHKニュース枠で、中国人スタッフに国家侮辱発言を許した前代未聞の「放送事故」を起こしておきながら、丸投げ先に厳重注意するだけで済ませるNHKも総務省も岸田内閣も国家公安委員会も、完全に日本国民をナメてかかり、中国人にもナメられている。
与党自民党への国民の怒りは、今年5月にやはり靖国神社に赤いペンキで落書きをした中国人犯罪者の身柄引き渡しも求めない、自分達にも中国にも「甘くてユルイ」態度に向けられている。岸田文雄総理が辞めたところで、その次の自民党総裁が引き続き中国共産党に媚びる「売国政治家」なら、有権者はこれからも自民党に投票もしないし、NHKに視聴料を払う義理もないだろう。
(那須優子)