メジャーを巡るFA挑戦騒動に大物の相次ぐ帰還‥‥例年になく激動のストーブリーグも終わり、セ・パ12球団は新たな戦力でキャンプに突入する。さりとて、何もかもが順風満帆とはいかないのが球界の常。何しろ爆弾を抱えた要注意人物が、あちこちに潜んでいるのだ。
昨年のセ・リーグ覇者ながらCS敗退の屈辱を味わった巨人の火元は、阿部慎之助(35)の一塁コンバートだろう。守備の負担を減らし、昨年2割4分8厘、19本塁打に終わった打撃を復活させ、不動の4番を目指すはずだった。ところが原辰徳監督(56)は昨年12月31日、スポーツ紙のインタビューで大田泰示(24)を「指名」。
「7番、8番を打っているようでは補欠だよ。彼が生き延びるためには4番を打たないといけない」
さらに今年1月13日にも、
「どちらかといわれれば、4番には右(打者)がいい。今年も期待して、だまされてみようかな」
と、あらためて「4番・大田構想」を表明したのだった。巨人担当記者が言う。
「原監督の悲願は和製4番を育てること。ミスターが松井秀喜を育てたように。しかし大田は、ポスト松井として与えられた背番号55を44に変更されるなど、一度見放された男。松井のような圧倒的な実力があれば阿部や村田修一(34)らプライドの高いベテランも黙りますが、ずっと使っても恐らく2割8分、20本塁打ぐらいでしょう。それでは巨人の4番は失格。阿部が4番ならみんなが納得しますが、原監督が大田にこだわるようなら火ダネになりかねない」
海外FA宣言していた鳥谷敬(33)が残留を決めた阪神では、球団関係者が、
「オフに補強が全部失敗。この“不発弾”が引火し、爆発したので、キャンプは何の話題性もない焼け野原。昨年はゴメス(30)と呉昇桓(32)の新外国人加入の話題がありましたが、今年は何もかも昨年と同じ顔ぶれです」
と嘆くことしきりだが、福留孝介(37)の周辺が何やら騒がしいのだ。
「阪神に移籍後の2年間は1割9分8厘、2割5分3厘という成績の福留を『なぜ使い続けるのか』と、和田豊監督(52)に対する疑問の声が選手の間から湧き起こっています。チームの将来を考えれば伊藤隼太(25)を使い、主軸に育てるべき。が、和田監督は福留がケガさえしなければ使うつもりらしい。このままでは隼太は腐ってしまう‥‥」(在阪スポーツメディア関係者)
中日の懸案事項は、近年大事な場面で打たれるシーンが増えた守護神・岩瀬仁紀(40)の処遇だ。
「3回連続で救援に失敗したらアウト。シーズン途中での引退もあるでしょう。問題は、谷繁元信監督(44)がケジメを促すため黒星覚悟で投げさせ、負けること」(スポーツ紙デスク)
Aクラス入りのアキレス腱とならなければいいが。