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3A上沢直之の「有望株リスト入り」でメジャーリーグの「日本の若手選手狩り」が始まる

 レッドソックス傘下の3Aウースターでプレーする上沢直之が来季以降に大化けすれば、日本球界に大きな波紋が広がる可能性が浮上している。

 ウースターは現地時間の8月20日に、上沢を「ディベロップメント・リスト」に入れたと発表。これは2021年から開始された、マイナーリーガーのプロスペクト(有望株)の起用と技術向上などを目的としたもので、本来は投手の投球数やイニング数を制限するためにしばしば取られる措置だ。有望な若手選手に適用され、日本球界でいう育成枠のようなもの。これを利用すれば、メジャー各球団は若手の有望選手を格安で大量に、日本球界から獲得することが可能となる。メジャーリーグ取材するスポーツライターが、今後の展開に言及する。

「例えば日本の高校生で、現時点ではドラフトにはかからないが、将来有望な選手は多くいる。彼らの中には将来、メジャーを志す者もいるでしょう。そんな選手を安い金額のマイナー契約で獲得。このリストに入れて鍛えればいいわけです。いわば青田買いであり、モノにならなくても金銭的なダメージは少ないですからね」

 過去、日本球界で実績を残し、FAやポスティングで米球界入りした選手は多いが、全員が成功を収めたわけではない。志半ばで日本に出戻るケースのほか、メジャーでの成功を夢見てアメリカにとどまる者もいる。

 それでも結局は、メジャー契約どころか、マイナー契約も結べないことがある。しかし金銭面やプライドに目をつぶれば、この「ディベロップメント・リスト」に入り、アメリカ野球に適応できる考え方やスキルを身につけることができるようになる。前出のスポーツライターは、

「本来なら30歳を過ぎた上沢のような選手が、このリストに入ることはないでしょう。しかしこの措置により、上沢が近い将来、メジャーで活躍するようになれば、同じような考え方の球団が出てきても不思議ではなくなる。日本人選手の青田買いが続出するかもしれません」

 日本球界では海を渡る主力選手が続出し、空洞化が叫ばれているが、上沢が大化けすることになれば、その足元が揺らぎかねない。

(阿部勝彦)

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