─馬券購入時に決めていることはありますか。
「それが、特にないんですよね。単純にくると思った馬を買っています」
─ちょっと意外です。万馬券狙い、というわけではないんですか?
「むしろオッズはそこまで見ていませんね。正直、3連単だと中穴が絡めば、ほとんど万馬券になるので」
─ご自身のユーチューブ「うまうまチャンネル」や「サンスポZBAT!」内の「松中みなみの部屋」でも予想を公開されていますが、対象レースはどうやって決めているんですか。
「土日で3場開催だと全部で36レースありますけど、まずは全レースの馬柱に目を通します。それで自信を持ってお勧めできるレースを決めるんです。私の場合、出走する馬の過去のレース映像をすべて見るので、1レースの予想にかける時間と労力がかなりありまして。だから1日3レースまでしか予想できないんですよ」
─ちょっと待った! 仮に18頭立ての古馬のレースだとすると、100レース以上になりますが。
「そうですね、でも必ず見るようにしています。頭数が多くて、どう考えても上位にきそうにない馬の場合でも、直近の2〜3走は見ます。それ以外の馬は『どうせ忘れちゃってるよね』と思いながら、新馬戦から前走までの全レースをチェックします。そうしないと、その馬の成長具合やレース中の有利不利がわからないですし、やっぱり仕事で予想している以上、手は抜きたくないですからね」
─レースを厳選して、全馬の過去レースを見て、ノートに書き込んだ独自のデータと照らし合わせて本命馬を決めるわけですね。
「はい。天候や馬場状態、右回りか左回りか、距離、騎手との相性、テン乗りでも走れるのか、コースや馬番別での成績‥‥言ったとおり、データ収集は昔から得意ですから(笑)。野村克也監督のID野球みたいな感じで‥‥」
─「ID馬券」ですか。的中率の高さも納得です。これまでたくさん万馬券を的中されていますが「会心の的中」は?
「回収金額的には19年の有馬記念です。1番人気のアーモンドアイが9着に敗れて、リスグラシューが勝ったんですけど、払い戻しが130万円を超えました。今年でいうと、6番人気のマッドクールが制した高松宮記念ですね。3連単の配当が5万8740円。1着固定の15点勝負で、印的には◎○△で的中しました」
─その高松宮記念も含めて、春のGⅠは3戦続けて的中されていますし、今週末や秋競馬も万馬券クイーンの予想に注目ですね。
「ぜひ(笑)。ただ、最近は調子がイマイチなんですよ。先日の札幌記念も1番人気のプログノーシスに勝つならノースブリッジ(5番人気1着)かジオグリフ(3番人気2着)しかないと思っていたんですけど、プログノーシスの1着固定で勝負してしまって‥‥。このところ競馬の難しさを痛感することが多くなりましたね。なので、もし私の予想を参考にしていただけるなら『ボックス買い』も推奨します(笑)」