スポーツ

立浪和義監督の続投問題よりはるかに重大な中日の「守護神マルティネス」残留か否か

 今季のBクラスがいよいよ濃厚になってきた中日が来季、「さらなるチーム崩壊」を迎える可能性が出てきた。その理由のひとつをスポーツ紙遊軍記者が明かす。

「もし立浪和義監督が続投することになれば、高橋周平や小笠原慎之介などソリの合わない選手が移籍、あるいはFA宣言するかもしれませんが、問題はそこではありません。絶対的守護神のライデル・マルティネスの契約問題です」

 キューバ出身のマルティネスは、来日8年目。2年目から1軍登板し、2022年からは年俸2億円の3年契約でプレーしている。2022年に39セーブで、初のセーブ王を獲得。昨季も32セーブ、9ホールドと、安定した成績を残している。今季もここまで51試合に登板して35セーブと、2度目のセーブ王タイトルが見えてきている。

 近代野球では、クローザーの存在は不可欠。27歳とまだ若く、日本での実績もある。使い減りしないマルティネスのような投手は、どの球団も喉から手が出るほど欲しいだろう。スポーツ紙プロ野球担当デスクが、今後の展開を分析する。

「今季の年俸の倍になる4億円、いや3倍の6億円を払ってもいいと思っている球団は5つや6つはあります。争奪戦が始まれば、間違いなくマネーゲームになりますね」

 マルティネス本人は中日でのプレーを気に入っているようだが、なにしろキューバ政府から派遣された選手。本人の意思では決められない立場にある。中日球団OBが言う。

「中日はこれまで築いてきたキューバ政府との信頼関係に期待するしかないが、出ていくことになったら一大事。立浪監督が続投するにしろ、他の人間が新監督に就任するにしろ、マルティネスを欠いたチームでは、浮上は難しい」

 前出の遊軍記者も、これに頷きながら強調する。

「監督問題よりも何よりも、マルティネスの残留は最重要事項です」

 それだけ今の中日には明るい材料が少ない、ということだが…。

(阿部勝彦)

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