3歳牝馬ピューロマジックが誇る才能は二の脚の抜群の速さだ。スタート自体はこの距離の重賞に使う馬としてはむしろ平凡な部類だが、2歩目、3歩目の速さは目を見張る鋭さを持っている。結果としてレースの序盤から先頭に立って、最後まで譲らないのが自分の形。上質なメンバーがそろったここでも、同じレーススタイルを貫いてしまうのかもしれない。序盤で無理をしていないので、最後の最後まで粘るスタミナも備えている。
モズメイメイは、3歳時のレースぶりがピューロマジックに似たスタイルだった。しかし、いつしか頭打ちになり、メンバー強化で逃げることさえもできなくなった。これで終わってしまうのかと思ったら、今夏の北九州記念でイメージチェンジに成功。一瞬切れる末脚を最後に使って3着に浮上してみせたのだ。前走は直線競馬でまたまた絶品の切れ味を発揮。これはもう、新しいスタイルを確立したとみていいだろう。もともと、これぐらいの才能は持っていたということなのだ。
このセントウルSの展開を読めば、ピューロマジックが早々に逃げる形を確立しても、前走で中途半端な形になって敗退したアサカラキングが無理気味にでも競りかけていくのが見えている。ペースは落ち着くはずもなく、必然的に超ハイペース。それでもモズメイメイの差し脚を警戒している暇は誰にもないはずで、馬券的な人気も薄いままだろう。またまたノーマークなら、直線で馬群の隙間を割るのに好都合だ。
ママコチャ、トウシンマカオ、テンハッピーローズなど、ビッグネームがいて人気にもなるが、どの馬も狙いは次走以降であることが見え見え。3連単を欲張らなくても、3連複でも十分に好配当が望めるわけで、ピューロマジックとの2頭軸流しで大きな配当にありつけそうだ。
京成杯AHは、アスコリピチェーノで中心不動の見立て。好調、堀厩舎が軌道に乗せてきたサイルーンが相手筆頭とみたが、首位との力差はありそう。ハンデ戦とはいえ、3歳牝馬にはまだそこまでの重い斤量は課せられないはずで、人気でも頭から信用して大丈夫とみる。