このまま「むなしい投球」が続のか。
ニューヨーク・メッツ傘下3Aシラキュースでプレーする藤浪晋太郎が現地時間の9月8日、本拠地でのヤンキース傘下3Aスクラントン戦で、3-7と4点ビハインドの9回に登板。2回を投げて無安打1奪三振で無失点と好投した。
2イニングともに3者凡退で、この試合を含めて3試合連続でのパーフェクト投球となり、8試合連続無失点を継続している。今季の3Aでの通算防御率は5.46にまで向上したが、今のところメッツからは声がかからない状況だ。
メッツは残り20試合を切った時点で、ナ・リーグでプレーオフ圏内の3位争いを演じており、今後は1試合1試合が重要になってくる。現在は好調だが、投げさせてみなければわからない藤浪を使う余裕は、チームにはないのだ。長年メジャーリーグを取材するスポーツライターは、次のように話す。
「もう藤浪の評価は決まってしまっていますからね。少しでも戦力になると判断していれば、もっと緊迫した場面で使うはず。もはや3Aでも敗戦処理、人数会わせ扱いといえます。メッツとしては、藤浪よりも故障者リスト(IL)入りしている投手を前倒ししてメジャーに上げる方針を固めているようです」
それが左ふくらはぎ肉離れのため、7月下旬からIL入りしている千賀滉大だというのだ。千賀はレギュラーシーズン中の復帰は絶望的とみられていたが、すでに軽い投球練習を再開。100%の状態に戻らない状態でもチームのために、
「残り5試合で戻れるか、戻れないか。戻れるように最大限の努力をしていきたいなと思います」
と早期復帰へ意欲を示している。
藤浪は最近の好投に気を良くしたのか、自らのインスタグラムに「皿ブレッド」というキャプションを付け、皿の上に1枚の食パンを乗せたダジャレ写真を掲載した。だが本来なら来季もアメリカでプレーするためには、少しでも必死さをアピールしなくてはいけない時期。とてもSNSでふざけている状況にはないはずだ。前出のスポーツライターも眉をひろめるしかない。
「もうすぐ3Aのシーズンが終わるし、今のままならメッツでの契約延長はない。他球団が手を出すとは思えないのに、SNSで遊んでいる場合ではない」
大阪桐蔭高校時代は大谷翔平のライバルと呼ばれ、順風満帆な野球人生を送っていたのも今や昔。これでアメリカ挑戦が終わってしまうのでは、寂しすぎる。
(阿部勝彦)