テリー 番組の意向と合わないというのは、どういうことだったんですか。
コロッケ 番組は1つのネタで持ち時間が長くて1分半だった。だけど、僕は3分以上欲しかったんです。僕がロボットをやり始めた時‥‥。
テリー あ、五木(ひろし)さんのものまね?
コロッケ はい。五木さんのロボット。これはネタとしては4分必要だったんですよ。でもそれは無理だと言われて、最初は我慢していましたが、2年たったら「もういいかな」と思って。そこで「別のテレビ局でものまね番組をやりたい」という話をさせていただいて、最終的に日本テレビに出ることになった。そこでは3分以上の時間をもらえたので、試行錯誤していくうちに「あ、コロッケ、ちょっと変わったよね」と言っていただけるようになったんです。
テリー そこでまた一皮剥けたと。
コロッケ 僕は、最初にやった五木さんのものまねと、現在の五木さんのものまねは、変わってなきゃいけないと思ってるんですよ。20年前と同じことをやってたら、芸人として錆びていると思うんです。
テリー 1つのことを自分の定番にするんじゃなくて、どんどん進化させていくわけだ。
コロッケ そうなんです。実は僕、ネタ帳って1冊もないんですよ。
テリー 全部頭の中なの?
コロッケ いえ、忘れるものも多いですが、そこにあまり固執しないというか。今だったらどういう話題がいいんだろう、何がはやってるんだろうと常に考えるんです。例えば五木さんのロボットも、前はカクカクしたロボットの動きだったんですけど、今はCG(コンピューターグラフィック)タイプのロボットなんですよ。
テリー 前は「ロボコップ」みたいな、ギクシャクした動きを見せていたけど、そういうロボットじゃなくなっていると。
コロッケ そうなんです。CGだと、少し滑らかな揺らぐ感じが動作に入るんですね。そうするとCGで作ったロボットのように、よりリアルに見える。だから新しい映画を観ると、物語よりもそういった表現部分に注目しちゃいますね。
テリー コロッケさんは「お約束」に縛られないものを作り続けてますよね。NHKで、ものまね何連発でしたっけ‥‥。
コロッケ 2010年の30周年記念の公演ですね。最後に「ものまね100人メドレー」というのをやりました。
テリー 僕、ビデオに録って、今でも持ってます。最後、85人ぐらいから「あと15人、どうするんだ」と思って見てましたよ。
コロッケ ハハハ。あの時に恐竜やニワトリの芸も生まれたんですよね。意味のわからないようなものも入ってる(笑)。
テリー それがまたおもしろいんだよね。ものまねの価値観を変えたというか。
コロッケ そう言っていただけるとありがたいです。