外国人選手の「助っ人」は、当たり外れが大きいと言われているが、当たった時の喜びは思いのほかデカい。
ここでは、今季のJリーグのシーズン途中から加入した2人の〝優良〟外国人選手を紹介したい。
まずは、6月下旬に京都サンガに期限付き移籍で加入した、ブラジル人FWのラファエル・エリアスだ。
U20ブラジル代表経験があるパワフルな大型ストライカーは、9月13日の横浜F・マリノス戦ではペナルティエリア内でFWマルコ・トゥーリオからの折り返しを冷静に流し込み先制ゴール。これで7戦7発と「怪物」ぶりを発揮している。
「京都はリーグの前半戦で3連敗と5連敗を喫し、最下位のどん底状態でした。曺貴裁監督がクラブ側に事実上の進退伺いをするほど追い込まれていましたが、そのまま知将に再建を託し、緊急補強でエリアスを獲得したのです。それが大当たりすると、3トップを組む191センチの大型FW原大智までが触発されて、3試合連続ゴールの相乗効果を生んでいる」(サッカー記者)
攻撃陣が波に乗ったことで、あれよあれよと15位(9月17日現在)まで順位を上げて、京都は降格圏から脱出したのだ。
そんな中、エリアスの別の一面にまでスポットが当たっている。
「14日の横浜Fマリノス戦でエリアスがボールをキープしている最中、少し離れた位置にいた相手のDF永戸勝也の足に異変が起きていることにいち早く気づいたんです。それを気遣う様子がJリーグの公式ユーチューブで紹介され、反響を呼びました」(前出・サッカーライター)
人間性にも優れたストライカーが、終盤戦に突入する京都のJ1残留へのキーマンになることは間違いない。
一方、首位争いを演じている広島が9月に完全移籍で獲得したのが、元ポルトガル代表のFWゴンサロ・パシエンシアだ。
FCポルト(ポルトガル)、フランクフルト(ドイツ)、セルタ・デ・ビーゴ(スペイン)など、欧州で9つの名門クラブを渡り歩いた〝本物〟がまさかの日本上陸となった。
「広島で今季11ゴールを取っていたFW大橋祐紀が7月末にブラックバーン・ロヴァーズ(イングランド2部)に移籍。その穴を埋めるには十分すぎるストライカーを獲得しました。早速、9月14日の鹿島アントラーズ戦でJリーグデビューすると、前半19分にコーナーキックを頭で合わせて同点弾を放った。相手DFのマークをものともしない力強さにスタジアムはどよめきましたね」(前出・サッカーライター)
優勝争いに向けて大型補強に大成功した広島。元ポルトガル代表がゴール量産モードに入れば、9年ぶりのJ1制覇が見えてくる。
(風吹啓太)