コスパではカブス・今永昇太がドジャースの山本由伸に圧勝である。今永の「ライスパワー」がにわかにクローズアップされているのだ。メジャーリーグを取材するスポーツライターが言う。
「今永の今季の活躍で、チーム内では米食が評価され始めています」
今永は9が16日(現地時間)のアスレチックス戦(リグリーフィールド)に先発登板。6回を投げて5安打11奪三振、自責点2の好投で、1年目の日本人メジャーリーガー左腕では最多タイとなる14勝目を挙げた。
この登板でイニング数が166回1/3となり、日本人左腕としては初の規定投球回数到達。怪物ルーキーと言われるパイレーツのポール・スキーンズらと、ナショナル・リーグ新人王争いのトップ集団を走っている。
実は今永の好投の陰には、大谷翔平から学んだ食生活がある。大谷が独身時代、パスタに塩だけをかけて食べるという生活を送っていたのは有名だが、独身の今永はオールスターで大谷と一緒になった際、あるヒントを得たという。
それは体重を維持するため、遠征の移動が夜中になっても食事を抜かないということ。そのため、遠征先にはアメリカで格安の40ドル(約5600円)の炊飯器を持参して、米を炊いて食べる。最近、日本国内で売られている炊飯器は、5万円を超えるものも珍しくない。今永はその10分の1の価格の炊飯器で、勝ち星を荒稼ぎしていることになる。
DeNA時代の今永を知るスポーツ紙遊軍記者がこれに頷く。
「理論的に納得がいけば、すぐ取り入れる。さすが、投げる哲学者ですね。炊飯器の値段は関係ないということです」
一方、12年総額3億2500万ドル(約455億円)でドジャース入りした山本も独身だが、アメリカに専属コックを帯同させ、栄養管理に務めている。もちろん専属コックの存在は山本には大きなメリットだが、費用対効果を考えれば、今永に軍配が上がる。前出の遊軍記者は、
「これもある意味、大谷効果ですかね。今後、海を渡る日本人メジャーリーガーたちは、もはやアメリカでの食生活にナーバスになる必要はないということです」
今のところ、今永はコスパ最高の日本人メジャーリーガーということか。
(阿部勝彦)