最下位転落が決まった9月18日の阪神戦後に、中日ドラゴンズの立浪和義監督が今季限りでの退任を表明した。3年契約3年目の今季は中田翔、中島宏之らベテラン野手を巨人から獲得するなど積極的な補強を試みた。開幕直後に8年ぶりの単独首位に立ったものの、好調は長くは続かなかった。球界関係者が語る。
「残り10試合を切った立浪監督にとって、ここからなんとしても避けたいのは、3年連続最下位になることでしょう。というのも、長いプロ野球の歴史で4年連続最下位になった監督はおらず、3年連続最下位が最長になるからです」
過去、3年連続最下位となった監督は5人いる。近鉄パールス(1952~54年)の藤田省三、大洋ホエールズ(56~58年)の迫畑正巳、近鉄バファローズ(59~61年)の千葉茂、西鉄ライオンズ(70~72年)の稲尾和久、阪神タイガース(99~01年)の野村克也だ。
「稲尾はのちにロッテで監督を務め、Aクラス入りを果たしています。ノムさんも、ヤクルト監督として日本一に導いた実績がある。残る3人は、3年連続最下位を経験した後、監督復帰することはありませんでした」(前出・球界関係者)
3年連続最下位の汚名を着せられたまま現場を去れば、立浪監督の今後の指導者人生に暗い影を落とすのは間違いない。不名誉な記録で球史に名を残すだけでは済まないのだ。
「確かに監督期間のチーム平均順位が『6位』というのは、間違いなくダメ監督のそしりを免れないでしょう。ただ、平均順位だけに絞れば、立浪監督は不名誉な記録保持者になることはありません。先に挙げた藤田監督が指揮を執ったのは、パ・リーグが7球団だった時代なのです。つまり、率いた期間の近鉄パールスの平均順位は『7位』になります。こんな数字に何の意味があるかと言わればそれまでですが(笑)」(前出・球界関係者)
正真正銘の「歴代ワースト監督」と呼ばれることはなさそうだ。あとは選手が奮起して「逆転5位」まで押し上げられれば、立浪監督の指導者人生に一縷の望みが見えてくる。