立憲民主党が都内で臨時党大会を開いて代表選の投開票を行い、野田佳彦元首相が新代表に選出された。1回目の投票では決着がつかず、枝野幸男元代表との決選投票の結果、232ポイントの野田氏が180ポイントの枝野氏を下した。
「私は本気で政権を取りにいく。戦いは今日から始まっている。結果が出たらノーサイド。力と心を合わせて打倒自民党に向かいたい」
そう語る野田氏は、挙党態勢での政権奪回を誓った。
2012年12月、野田政権下の解散総選挙で惨敗して政権を失ったため、党内では「戦犯」扱いされていた。しかし、そうなったのは、
「前年の東日本大震災発生時の、菅直人内閣の様々な不手際に国民の不信感が高まり、その後始末をさせられたようなもの。結局、党内に野田氏をしのぐ、党首にふさわしい人材がいなかった」(立憲民主党関係者)
9月27日には自民党総裁選が行われ、新総裁が新首相に就任する運びだが、おそらく、新首相は早々に解散総選挙に踏み切ることになりそうで、10月中か11月の投開票となることが予想される。そこで野田氏はいきなり、試練を迎えることになる。
7月の東京都知事選で2位に躍進して「石丸現象」を巻き起こした前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏が8月下旬、自身のYouTubeチャンネルで、立憲民主党の活性化策として、次期衆院選で立民代表の選挙区から出馬すると宣言。「立民の代表に勝ったら、僕を党首にしてください。乗っ取ります」と宣戦布告した。今のところ、石丸氏がどこかの都道府県の首長選などに立候補する気配はなく、解散総選挙に向けて着々と準備を進めている様子だ。
千葉県市川市と船橋市を地盤とする(千葉4区)野田氏は、1993年に日本新党から衆院初当選。現在まで9選している。政界随一のプロレス好きで知られるが、石丸氏に「ガチンコ勝負」を仕掛けられるかもしれない。前回は自民党候補との一騎打ちだったが、石丸氏が出馬すれば、大混戦は必至だ。
(高木光一)