大相撲では大の里に続いて、次の九州場所で大関に昇進する可能性があるのが霧島である。相撲ライターの評価を聞こう。
「13勝2敗、11勝4敗と横綱昇進の可能性があった力士ですから、当然だと思います。大関陥落の原因は首のケガ。ただし、首は完治するものではない。またいつ再発するか、分からないのです」
秋場所の霧島の相撲を見る限り、次は12勝は挙げるとみられる。問題は大の里、照ノ富士、隆の勝との一番だろう。相撲ライターが続ける。
「例えば、大の里戦。夏場所は頭を下げて当たり、右四つに受けとめた。上手をとり、頭をつけたが、そこまで。大の里はただ、歩いただけですよ。何かもう横綱と十両の取り組みみたいでした」
2人は稽古場では互角。半歩譲って首のケガのせいだとしても、情けない一番だった。
照ノ富士戦も同じような展開となることが多い。今年の初場所で対戦した際には土俵中央で刺され、体が浮き上がった霧島を照ノ富士が土俵際まで運んだ。
「このように、巨漢力士に力で持っていかれると、簡単に負けてしまうんです。この傾向がよく出ているのが、隆の勝戦ですね。隆の勝は好不調の波がはっきりしている。秋場所は不調だったせいで、対戦成績で大きく負け越している霧島が勝つことができましたが、九州場所は分からないですよ」(相撲部屋関係者)
霧島は決して非力ではない。大の里戦にしても、稽古場では互角なのだが、
「でも、霧島がチキンハートであることは間違いないと思いますよ。こればりはいくら稽古しても治りません」
繊細な力士なのであった。
(蓮見茂)