久保建英や遠藤航、三苫薫らを擁し、「歴代最強の陣容を揃えた」と言われるサッカー森保ジャパン。その前評判通り、W杯アジア地区最終予選では中国に7-0、バーレーンに5-0で連勝し、グループCの首位に立っている。
そして10月10日にはアウェーでサウジアラビア戦、15日にはホームでオーストラリア戦という天王山を迎える。だが絶好調の日本とは違い、豪州&サウジはこの予選で精彩を欠いている。同グループで最弱と目されていたインドネシア代表から、勝ち点3を奪えていないからだ。サッカー誌編集者が言う。
「両国共にシュート数やボール支配率で圧倒しながら、ドローに終わりました。豪州はしばらくユース世代選手の育成が失敗続きだったこと、サウジは国内リーグに有名選手を呼びすぎて、自国の代表選手が試合に出られなくなっていることなど、弱体化の要因がある。今回の予選では日本の実力が二歩も三歩も抜きん出ている、と評価されています」
W杯の出場経験からいっても、豪州とサウジが日本の最大のライバルと思われている。が、内実は違っているようなのだ。
「その点、サウジや豪州と引き分けたインドネシアは、ダークホースとして侮れません。もともとオランダ領東インドとして植民地支配を受けていたこともあり、インドネシアにルーツを持ちながら国籍はオランダ、という選手がヨーロッパのサッカーリーグに多数在籍していました。いわば、オランダ代表選手にはなれなかった有望株に2~3年前から次々に声をかけ、インドネシアに帰化させている。こちらの方が、日本代表にとって脅威になるのでは」(前出・サッカー誌編集者)
日本でもかつて、帰化したブラジル系選手が代表入りすることはあったが、多くても一時代に1人か2人。今回のインドネシア代表は、それどころではない。最新のチームは帰化選手が13人で、なりふり構わず出場権を取りにきているのだ
実はインドネシアは、1938年にアジアで初めてW杯に出場した国。その後はアジア予選を勝てず、W杯出場をなしえていないが、今回は初めて最終予選に進出し、豪州とサウジ相手に上々の滑り出しを決めたとあって、国内の期待度は高いという。
インドネシアの最新FIFAランクは129位。アジア最上位国の日本は16位と、ランキング上では大きく水をあけているが、この数字ほどの差はないのかもしれない。