メジャー7年目にして初のポストシーズンで奮闘中のドジャース・大谷翔平について、スポーツ紙デスクが解説する。
「パドレスとのディビジョンシリーズ初戦、3点ビハインドを振り出しに戻す劇的3ランを放った際には珍しく雄叫びを上げて、バットフリップ(バット投げ)のド派手パフォーマンスを見せました。試合後のインタビューでは『振り返れと言われても思い出せないくらい集中していた』と語った。やはり1球が流れを左右する短期決戦だけに、アドレナリンの量が違ったのでしょう」
だが第2戦では先発ダルビッシュ有の好投に阻まれて無安打。試合は10-2の完敗で1勝1敗のイーブンとなった。
「ポストシーズン常連のドジャースには、短期決戦に滅法弱いという不吉なデータがあります。過去10年で9回地区優勝していますが、ワールドシリーズ覇者となったのは2020年の1回のみ。特に2018年のワールドシリーズ第4戦、ロバーツ監督は7回まで好投の先発投手を交代させ、4点差を大逆転されて敗戦。当時のトランプ大統領から『ビッグ・ミステイクだ!』とツイッターで采配を批判され、そのままシリーズ敗退してしまった黒歴史があります」(前出・スポーツ紙デスク)
それでも今年は勝率6割5厘というレギュラーシーズン最高勝率を誇るドジャース。MLBアナリストが過去のデータを開陳する。
「実は過去10年で勝率トップのチームがワールドシリーズまで駒を進めることができたのはア・リーグで5回、ナ・リーグで3回だけ、トップ同士でのワールドシリーズは一度しかありません。つまり、レギュラーシーズンの実力がそのままポストシーズンにつながることが少ないということです。この短期決戦では『シークレット・ソース』と呼ばれる3要素が重要視されています。それは①奪三振率の高い投手陣、②鉄壁の守備力、③安定感が高いクローザー。つまりポストシリーズでは、ディフェンス力が求められるのです」
パドレスはワイルドカードシリーズでブレーブスを2タテし、勢いづいている。反対にドジャースは、レギュラーシーズンから時間を置いての戦いだけに、実戦感覚を取り戻せていないとも言える。
第3戦はパドレス本拠地ぺトコ・パークに、戦いの場を移すことになる。
「仮にドジャースがこの流れを食い止めることができず、むざむざ敗退すれば、ロバーツ監督ではワールドシリーズを勝てないと判断され、9年目で解任の可能性も出てきます」(前出・スポーツ紙デスク)
ロバーツ監督を救えるのはもはや、大谷のビッグアーチだけなのか。