先の3連休初日の10月12日、長野県軽井沢町にある温泉施設で都内在住の男性が忽然と姿を消すという、奇怪な「神隠し騒動」が発生した。
男性が友人2人と温泉施設を訪れたのは、12日の午後8時頃。その後、彼らは施設内でそれぞれ別行動をとっていたが、帰りの集合時間になっても男性が姿を見せなかったため、友人らは施設内や施設周辺を探し回った。
しかし男性の行方は杳として知れず。「これは何かあったに違いない」と感じた友人2人は同日午後10時過ぎ、温泉施設の従業員を通じて警察に通報した。
翌13日、警察は消防なども含めた約60人体制で施設周辺の捜索を開始。翌14日も約100人体制での捜索が続けられたが、10月15日現在、行方不明となった男性の発見には至っていない。
この男性は61歳。現地では「何か予期せぬ事件や事故に巻き込まれたのか」など、様々な憶測が乱れ飛んでいるが、実は男性が姿を消したエリアは、クマの頻出地域として知られている。軽井沢町のクマ事情に詳しい自然団体関係者が指摘する。
「温泉施設は豊かな自然が広がる一角に位置しており、施設周辺では今年の9月に入ってからツキノワグマの目撃情報が相次いでいます。9月4日には施設周辺で成獣1頭が目撃されたとして、軽井沢署が住民や通行者に警戒を呼びかけていました。古来、神隠しと呼ばれる蒸発事案の中には『クマによる連れ去り』が少なくなかったとされているのです」
男性は中肉、白髪で、身長は約170センチ。黒と紺と橙の横縞模様の長袖シャツに、黒色系のズボンと靴下を身に着けていたとされる。
今はただ、無事に発見されることを願うばかりである。
(石森巌)