お笑いトリオ「ジャングルポケット」の斉藤慎二が不同意性交容疑などで書類送検された事件をめぐっては、斉藤が公営・船橋競馬の川島正一調教師に預託している所有馬「オマタセシマシタ」の今後に懸念の声が渦巻いていた。
本サイトが10月9日に公開した記事でも指摘したように、斉藤が禁固刑以上の刑に処されて馬主資格を失ったり、収入が激減して預託料を払えなくなったりした場合、オマタセシマシタは「殺処分」の危機に晒されることになるからだ。
そんな中、馬主資格を持つ放送作家の村上卓史氏が、新オーナーとしてオマタセシマシタを引き取る旨を公表。同馬は引き続き川島厩舎に所属したまま現役を続行し、10月末に船橋競馬で復帰戦に臨むことが明らかになった。
オマタセシマシタは救世主の登場によって命拾いしたが、殺処分が下された競走馬に降りかかる運命は実に悲惨である。筆者はかつて、さる厩舎関係者から競走馬の殺処分にまつわる、以下のような生々しい話を聞かされたことがある。
「競走成績不振などで殺処分となる競走馬は、馬運車に乗せられて厩舎から送り出されます。デビュー戦から1勝もできずに殺処分が決まったある競走馬は、これから起こる不吉な出来事を野性的な本能で察知したのか、馬運車の前で前脚を突っ張らせたまま、頑として動こうとしませんでした。最後は最もなついていた厩務員になだめられて馬運車に乗り込みましたが、あのなんとも物悲しいシーンは今でも目に焼きついて離れません」
厩舎関係者はさらに、次のような事実を続けて明かした。
「その後はしかるべき施設で大量のエサを与えられることになります。そして運動もさせずに丸々と太ったところで、同じ境遇にある施設内の仲間の馬たちとともに、サシが入った霜降りの上質な馬肉として加工されるのです」
この話を聞かされた時、筆者は「金輪際、馬肉は食べない」ことを決めた。オマタセシマシタの今後の活躍を心から祈りたい。
(日高次郎/競馬アナリスト)