ドジャースとヤンキースのワールドシリーズでフル稼働しているのは、選手や監督、首脳陣だけではない。MLBジャーナリスト・AKI猪瀬氏の動きが激しいのだ。
第1戦前日の10月25日には「ZIP!」(日本テレビ系)と「ひるおび!」(TBS系)、そして「Live News イット!」(フジテレビ系)や「MLBイッキ見!」(BS JSPORTS)など、次から次へと情報番組にハシゴ出演。
そしてシリーズが始まるや、「SPOTV NOW」で解説を担当し、連日のようにテレビ番組に出演しては、試合展開を解説。人気芸能人並みの売れっ子ぶりなのである。
スポーツニュースではこれまで、ちょくちょくその顔を見たことがある視聴者はいるだろう。猪瀬氏はアメリカ留学中にメジャーリーグ野球に感銘を受け、1997年に「パーフェクTV!」が中継をスタートさせた際に、解説者として出演。以降、メジャーリーグを論じるスポーツライターとして活動している。
連日のテレビ出演ですっかりお馴染みになったこともあり、豊富なメジャー知識に感心する視聴者は多いが、一方で試合予想をことごとく外すことから、解説者としての「適性」を疑問視する声があるのもまた事実なのだ。
猪瀬氏は昨年、大谷翔平がエンゼルスからFAになった際、次のように明言した。
「11月の段階で、大谷はどこへ行くっていうのは決まっていると思います。僕はずっと、シーズンからエンゼルス。80%、エンゼルスに残る。長期契約はありえないので、3年契約」
これがまんまと外れると、
「デーブ・スペクターですらドジャース移籍を当てたのに」
というツッコミが入ったのである。
さらに、ワールドシリーズの対戦カードについては「ヤンキースとパドレス」とキッパリ。その後、ドジャースがワールドシリーズ進出を決めると、
「爆発的な攻撃力と投手が安定。投打においてヤンキースが上。4勝3敗でヤンキースが勝つ」
と断言した。まだ最終結果は出ていないが、ここまでドジャースが3連勝。ヤンキースはあとがなくなった。
あまりにもことごとく外れる予想は、言ってみれば「その逆を読めばいい」ということになる。ゆえに、以下のように、イジリ倒される事態になっているのだ。
「では、ドジャースが優勝するってことか。大谷よかったな」
「もはや逆神すぎて好きになってきた。ジャッジが大暴れしてヤンキース優勝とか言ってほしい」
意外な「戦法」でむしろ好感度を上げている猪瀬氏だが、メジャー通として知られるとんねるずの石橋貴明はラジオ番組で共演した際、
「AKI猪瀬さんは解説者ではなく、MLB漫談家ですよ」
言い得て妙とは、まさにこのことかもしれない。
(ケン高田)