メジャーリーグのワールドシリーズ第4戦で、フライを捕球したドジャースのムーキー・ベッツからボールを強奪した観客2人が「出入り禁止」を通告された。
ヤンキースは守備を妨害したファンの男性2人に対し「ヤンキースとメジャーリーグは昨日のような行為をいっさい容赦しない。これらのファンは今夜の試合に、いかなる形でも参加することは許可されない」と宣言。かくして「出禁」となったのである。
気になるの2人の正体だが、スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」によると、熱狂的なヤンキース・ファンのオースティン・カポビアンコとその弟ダレンと特定されている。
この「事件」を受けて、アメリカのスポーツ賭博専門ケーブルチャンネルの司会者グロンクの発言が、大問題になった。グロンクは放送中、次のように妨害男を絶賛。
「ムーキー・ベッツを妨害したオースティン・カポビアンコは自分の友達。同じアリゾナ・アイスホッケー・チームに所属していた。彼はチームのためなら全力を尽くす。今回、妨害したことは素晴らしい行動だ」
当然ながら女性アシスタントが、
「グロンク、ストップ! あなた大丈夫!?」
と慌てて発言を制止したが、グロンクの暴言は止まらず、最後は呆れるしかなかった。
この発言は瞬く間にSNSで拡散し、大炎上。ドジャース・ファンは「さすがにこの発言は許せない」と怒りを爆発させているが、一部のヤンキース・ファンの間では、2人は英雄扱いされている。
確かに2人がベッツの守備を妨害し、退場を命じられている最中、周囲のヤンキース・ファンは「よくやった!」と言わんばかりの雰囲気で拍手を送っていた。退場する際にはハイタッチをする輩も…。
日本では信じられない光景だが、これもアメリカの野球文化のひとつというのであれば、そのレベルの低さには閉口するしかない。
(ケン高田)