メキシコのメディア「TVアステカ」が、衝撃の動画とともに「当時の状況」を伝えたのは、今年9月のことだった。プエブラ州アクストラの住民が、白昼の空に現れたUFOの撮影に成功したのだ。
この30秒の動画はXに投稿されたが、放送直後からSNS上には、同様のUFOを見たという目撃情報の投稿が続出。降ってわいたUFO騒動に、地元は大騒ぎとなった。
ところが10月に入ると、今度はメキシコのモレロス州クエルナバカ市でも、黒い不気味なUFOがスマートフォンで撮影され、メキシコメディア「エクストラ・デ・モレロス」が大々的に報道。しかもUFOが出現した場所が、市内で最も交通量が多いことで知られるプラン・デ・アヤラ・アベニュー上空とあり、多数の目撃者が出た。
ところが9月の騒動時と同様に、地元当局はメディアの問い合わせに対し、いっさいの公式声明を出しておらず、その正体は謎のまま、という扱いになっている。
わずか1カ月の間に立て続けに起きたUFO出現は、いったい何を意味しているのか。メキシコといえば、昨年9月の「宇宙人のミイラ」騒動を思い出すが、もともとUFOに関する目撃談は多い。空軍が公式に認めたUFO事件もある。それが2004年3月5日に、カンペチェ南部に出現した「11機のUFO群」だ。
夕方、メキシコ空軍の偵察機がそのエリアを飛行中に突然、赤外線カメラが、雲の合間を飛行する11機のUFO群を捉えた。うち3機はレーダーでも確認されている。
メキシコ空軍が調査を進めたものの、飛行物体の正体ははっきりせず、国防相長官が著名なUFO研究者らに調査協力を依頼。すると「エイリアンクラフト」、すなわち「地球を訪問する宇宙人の乗り物である可能性が高い」との結論が出たのである。国防省のスポークスマンが、軍用機がビデオで撮影したと公式に認めたことで、信憑性ある事件として大々的に報道されることになった。
このニュースは日本でも大きく報道されたため、記憶している人はいるかと思うが、やはり正体は不明のまま。
それから20年の時を経て、再び連続して起こったメキシコでUFO騒動に、多くのUFOファンが沸いているのだった。
(ジョン・ドゥ)