「先場所は情けない相撲を見せてしまった。しっかり勝ち越して、三役に戻れるよう頑張る」
大相撲秋場所を7勝8敗と負け越し、小結から陥落してしまった平戸海が、九州場所(11月10日初日)でリベンジすべく、猛稽古を重ねている。相撲部屋関係者が言う。
「11月1日には立浪部屋に出稽古に行き、大関・豊昇龍、幕内・明生、同じく出稽古に来ていた関脇・大栄翔栄らと23番取った。豊昇龍には連勝する場面もあったほどです。本人は『途中途中でいい相撲が取れてよかった』と話していましたね。秋巡業の稽古場でも精力的に汗を流してきたのですが、巡業中に馬力が衰えていると感じていて、師匠の境川親方にそれを指摘されていました」
平戸海は178センチ138キロの小兵力士。ところが相撲を取ると、信じられないようなパワーを発揮する。170キロ、180キロの巨漢力士を簡単に押し出したり、新大関・大の里にも夏と名古屋の両場所で連勝している。
「これは馬力が全ての平戸海を相手にした時、受け方を間違えるといっぺんに持っていかれるという警戒心が、大の里にあったからです」(相撲ライター)
平戸海には番付的な不運があった。小結で迎えた名古屋場所で10勝しながら、他に昇進する力士が多かったため、小結に据え置き。これはなかなか聞いたことがない措置である。もし関脇に昇進していたら今回、平幕に落ちることはなかったはず。パワーダウンの要因は、不運へのショックもあったことだろう。前出の相撲部屋関係者が力強く言う。
「九州場所前の2週間は積極的に出稽古に出かけ、大関、三役と20番、30番と稽古していました。絶対にリベンジすると、強く思っているからです。今場所の平戸海は怖いですよ」
馬力相撲の大爆発なるか。