直近5試合を3敗2引き分けと急失速し、J1優勝争いで崖っぷちに立たされているFC町田ゼルビアが、来シーズンの観戦マナーとルールの一部変更を発表した。
スタジアム来場者の安全を確保するため、JリーグおよびJクラブでは管理規程をもとにした、試合の運営を行っている。FC町田ゼルビアはこれまで「応援の統制目的以外での拡声器の使用」「横断幕掲出の際のガムテープの使用」「集団での抗議活動、バス止め行為等の運営の妨害となる行為」などの禁止を独自に設定していた。
このほかにも「フェンス、手すりに腰掛けたり、またがったりする」「フェンス、手すりから身を乗り出しての観戦、応援」「フェンス、手すりに足を掛けたり、足を出したりする」ことの禁止を呼びかけるなど、今どき小学生でもやらないような悪ふざけ行為を制止しているのは、それだけファンのマナーが悪いということだろう。
今回「追記」されたのは「スタジアム設備等を利用して、横断幕等を所持者・主管者の許可無く被せる等の行為」の1項目。どうやら過去に、スポンサー看板を横断幕で隠してしまったことがあったようだ。
今さら言わずとも…といった行状だが、なんと、さらなる改善を求める声が相次いでいるのだ。
「サポーターの中指立てる行為も禁止してくれ」
「ボールの水かけは?」
「スローイン時にタオルでボールを拭くことが見当たらない」
町田ゼルビアをめぐっては、PK獲得時にルーティンとしているボールへの「水かけ」と、ロングスロー時に「タオルでボールを拭く」行為が、これまで幾度となく問題視されてきた。
JFAの審判委員会によるレフェリー・ブリーフィングでは今後、同様の事象が起こった場合は「審判員の裁量に任せる」としたが、世界的にスピーディーな試合が求められる中で、無駄に時間を浪費する行為には、他チームのファンの不満が膨らむばかりだ。
町田ゼルビアの黒田剛監督は、
「相手が嫌だと思うプレーはやりません、と言うのであれば、それはもうサッカーじゃない」
と言い切っているが、それも破竹の勢いで快進撃を続けていればこそ。チームが失速している状況下では、いささか説得力に欠ける。
観戦時の独自禁止事項をわずか1つだけ追加したことが、結果的にサポーターのモヤモヤをさらに増幅させてしまった。
(ケン高田)