鋭く曲がるパワーカーブで今季7勝を挙げたソフトバンク・石川柊太の去就が、にわかに騒がしくなってきた。FA宣言後、11月26日にはヤクルトが初交渉に臨み、小川淳司GMが3年6億円規模の好条件を提示。すでにオリックスも石川と交渉を行っており、ヤクルトと同規模の条件を提示したとされる。
石川は人的補償や金銭補償のいらないCランク。他にも巨人やロッテが関心を示している。巨人は最大4年総額18億円の大型契約を提示するのではないかとされ、札束が飛び交う大争奪戦へとエスカレートする可能性を秘める。
石川は今季、15登板で7勝2敗、防御率2.56の成績だった。投球回数63回1/3はエース・有原航平の182回2/3のおよそ3分の1だ。
とはいえ、昨年8月にはノーヒットノーランを達成するなど、実力はある。今季年俸1億2000万円の石川にしてみれば、今が一番の売り時といえるだろう。
札束攻勢が展開された場合、巨人が有利なのは間違いなかろうが、そもそもCランクの選手に年俸4億円以上の価値があるのか、疑問が残る。巨人が金にモノをいわせて強奪すれば、またもや物議を醸すことになるかもしれない。
では実際に、石川の適正な評価額はどのくらいなのか。野球解説者・高木豊氏の見解はこうだ。
「6億円を提示したヤクルトに拍手。他の球団はいくら出すのかという探りじゃない。ウチはこれで契約したい、と潔く誠意を見せた。同席した奥さんにも配慮を見せた」
ヤクルトの姿勢を大絶賛したのである。一方で、巨人に対しては、
「本当にそんなに出すの?」
と首をかしげつつも、
「今年の菅野ほどの活躍はできないにしても、二桁は勝ってくれそう。欲しいのは欲しいと思う。最後はきれいごとじゃなくて金だよ。巨人に行った方がいいかもしれないな」
FA権行使を表明した際、石川は「他球団の評価を聞いてみたい。来てほしいという思いが伝わってくるっていうのを大切にしたい」と語っている。ヤクルトの誠意をとるのか、それともビッグマネーの巨人をとるのか。はたまたオリックスなのか。いや、それとも宣言残留するのか。決め手は何だ!?
(ケン高田)