株式会社AZWAY(東京都豊島区)が運営する不動産情報メディア「幸せおうち計画」の調査によれば、「住んだら幸福度が高そうな都道府県」の第1位に選出されたのは「沖縄県」だった。
一方で、沖縄県に住む住民の6割以上が移住を希望しているという、意外な実態も浮かび上がっている。
この調査は2024年7月から9月にかけて、全国の10代から60代以上の男女631人を対象に、インターネットで実施された。結果として2位に「北海道」、3位は「東京都」と続いた。
沖縄県が選ばれた理由としては、「綺麗な海や大自然に癒されそう」「穏やかな人々に囲まれ、美味しい食べ物が豊富」といった意見が挙がる。
では実際に沖縄で暮らす住民は、沖縄での生活をどう感じているのか。県内に住む30代の主婦はこう話す。
「独身時代は沖縄を楽しいと感じることが多かったのですが、結婚して子供が生まれると、幸福度はそこまで感じなくなりました。特に学校教育が問題で、沖縄では教師の休職率が全国ワースト。深刻な教師不足が続いています。保護者が学校にトラブルを相談すると、教師がさらに辞めていく事態を恐れ、学校側が問題を深く取り上げないケースが多いです」
沖縄県内の高校生の大学進学率が全国平均に比べて低いことも、以前から問題視されている。こうした背景から、子供の将来を考え、公立ではなく私立校への進学を選ぶ家庭が増えているというが、家計に影響を及ぼす経済事情も、住民の不満材料となっている。30代主婦がさらに言う。
「授業料は高いのに、平均時給は全国42位と低いまま。加えて野菜などの食品は輸送費の影響で本土より高く、最近の値上げラッシュで家計への負担が増しています。特に最近は主婦仲間から『野菜の値上げが本当に痛い』という声がよく聞かれますね」
幸福イメージと現地での実態には、大きな隔たりがあったのだ。